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藤井敏彦の「CSRの本質」

企業の社会的責任(CSR)とは何なのか。欧米と日本を比較しつつ、その本質を問う。

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日本のCSR業界の大きな特徴は、「アドボカシィ」と言われる企業攻撃をするNGOさんの影が薄いことであります。ワタシはこの事態を残念なことだと思っているわけですが、グリーンピース・ジャパンによる鯨肉持ち出し事件で、久しぶりにNGOがメディアに大々的に登場しました。

2008年7月 7日 08:00

ヨーロッパで暮らすと、日曜日にはほとんどのお店が閉まって困ってしまいます。大型スーパーも日曜日には閉まります。別に日曜閉店の規制があるわけではありません。日曜日は家族と過ごす、という社会的な規範みたいなものが強く作用しているのです。

2008年6月30日 08:00

ここまで、EUの尖った環境規制がグローバルスタンダードになっていることを見てきました。しかし、日本は尖った規制をつくることが不得意です。正確に言えば、日本の社会は尖った規制をつくることに価値を置かないのです。

2008年6月23日 08:00

これまで、常にEUがルールづくりの主導権をにぎり、他の国が「守旧派」の役を演じるという構図でした。しかし、ノルウェイの「スーパーRoHS」はその構図を崩しました。彼らはEUが禁止していない物質を禁止しようとしているのです。その禁止は、瞬時に世界に伝播し世界中のメーカーを規律します。

2008年6月16日 08:00

ノルウェイが出してきた「スーパーRoHS」。これは、欧州ローカルにとどまらず、世界中の電気電子産業にとって、なかなかに厄介な事態を招くかもしれません。

2008年6月 9日 08:00

美しくて異議を唱えにくい言葉や、紋切り型で思考を迂回するフレーズ。国内でCSRが語られるとき、寄りかかってしまいがちです。世の議論は美しすぎるかもしれません。美しすぎて、耐久性がない。一歩入っていくと、世界はあんまり美しくないものです。

2008年6月 2日 08:00

社会的責任投資(SRI)の背景について考えを巡らせていくと、構造的で知的にも興味深い問題が見えてくるように思います。その意味で、SRIというのはやはり壮大な社会実験であって、まだプラスにもマイナスにも評価できる段階ではないように思います。

2008年5月26日 08:00

日本のCSRの一大特徴は、「まずSRIありき」であったことです。その存在感の大きさはなかなかスゴイものがあります。企業内のポジション、コンサルティングや企業評価の需要の増大など、SRIが日本におけるCSRに関するお仕事、CSR関連ビジネスの成長を促したことは間違いありません。

2008年5月19日 08:00

前回の延長で、今回は金融という機能の視点からCSRを考えます。CSRを考える上でひとつ大きなポイントとなるのは、持続可能性という公共的課題と市場という我々の社会の基本的機能をいかに接合するか、その工夫です。

2008年5月12日 08:00

ずっと感心しながら同時にやや不可解にも思っているのですが、なぜ、今の若い人は発展途上国の人々の窮状にそこまで関心を持つのでしょうか。ワタシの若い頃、そんな人ほとんどいなかったけど。

2008年4月28日 12:45

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藤井敏彦の「CSRの本質」

プロフィール

1964年生まれ。経済産業研究所コンサルティングフェロー。経済産業省通商機構部参事官。著書に「ヨーロッパのCSRと日本のCSR-何が違い、何を学ぶのか」、共著に「グローバルCSR調達」がある。

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