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歌田明弘の「ネットと広告経済の行方」

ドラスティックに変化し続ける広告経済とネットの関わりを読み解く

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 動画共有サイトの視聴において世代差が進行しており、一括りに「若年層」と見なすこともできなくなっている。短期的には、ニュース動画の充実によって、中高年を含めた幅広い層の動画視聴が伸びていくと思われるが、長期的には、メディアとの接触のあり方自体が大きく変わっていくことが感じられる。

2008年6月 3日 08:00

アメリカ同様に日本でも、ニュース動画がどれくらい見られているかが、世代を超えたネット動画の広がりを見るひとつの指標になるのではないか、ということが日本の調査結果からも見て取れる。動画で出遅れたテレビ局やポータルサイトは、動画共有サイトの熱心な利用者よりももう少し年上の世代へ向けたニュース動画がポイントになるかもしれない。

2008年5月27日 08:00

 各種の調査から、アメリカではニュース動画の視聴が日常的なものになり始めていることがわかる。ニュース動画がどれぐらい見られているかが、ネット動画が世代を超えた広がりを持っているかどうかの指標になっている。

2008年5月16日 08:00

検索広告は2012年までに3パーセント落ち、動画広告とあわせた広い意味でのディスプレイ広告とほぼ並ぶ数字になると予想されている。アジアの動画広告市場は2008年の16倍になるという予想も出ており、動画広告の時代がやってくる。

2008年5月 7日 08:00

クリック課金型広告は、顧客をできるだけ増やそうという広告ではなくて、成果達成率の高そうな顧客にかぎってアクセスしてもらおうという排除性の強い広告で、本質的に矛盾を抱えている。広告主は、できるだけ多くの人にサイトにアクセスしてもらい、商品について知ってもらいたいはずだ。

2008年4月28日 11:00

アマゾンとGoogleが合併してグーグルゾンという会社ができるという「ネットの未来」を語ったショート・ムービー「EPIC 2014」が数年前に話題になった。広告経済の観点から見ても、こうしたことはいえそうだ。Googleの広告の試みは、策を講じなければ、アマゾンや楽天などに負ける可能性がある。

2008年4月14日 08:00

ネットの広告は、ユーザーの関心に即して表示されるので広告効果が高いというのが「売り」だが、具体的な成果を求める広告主にとって「広告効果」とは、商品が売れたり、会員を集められたりすることだ。クリックによって広告費が発生するクリック課金は、かなり「中途半端」に思える。

2008年3月26日 11:00

アフィリエイト広告は、クリック課金から成果報酬型へほぼ完全に移行してしまった。こうした経緯を見ると、現在、クリック課金が行なわれている検索連動広告やコンテンツ連動広告も、成果報酬型になっていくのは避けられないのではないか。この変化には、欲望を端的に満たすことのできるインタラクティヴなメディアの特性が反映している。

2008年3月17日 22:00

ウェブ全体を潜在的に自分たちの広告媒体にするという、Googleが意識的に始めたと思われる発明は、彼らのオリジナルではない。GoTo(現オーバーチュア)の検索連動広告を見て広告ビジネスに乗り出したGoogleが、アフィリエイトを見て、その仕組みを取り入れることを思いついたというのは十分にありうることだろう。

2008年3月11日 13:00

昨年のネット広告費は6000億を超え、3年で新聞広告費を抜く勢いで大きくなってきたが、変化の兆しも見える。とりあえず3点をあげておく。

2008年3月 4日 12:30

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歌田明弘の「ネットと広告経済の行方」

プロフィール

『ユリイカ』編集長をへて1993年より執筆活動。著書に『ネットはテレビをどう呑みこむのか』、『科学大国アメリカは原爆投下によって生まれた』、『「ネットの未来」探検ガイド』、『インターネットは未来を変えるか』、『本の未来はどうなるか』など。大学でメディア論などの授業もしている。週刊アスキーで「仮想報道」を連載。アーカイブはこちら 歌田明弘の「地球村の事件簿」

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