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飯田泰之の「ソーシャル・サイエンス・ハック!」

気鋭の若手経済学者が、社会問題・経済問題を、Hacks的な手法を用いて、その解決策を探る。

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本連載は1年前に「経済学を道具として使う」ことを通じて経済学の魅力を伝えたいとの思いではじまりました.その試みが成功したかどうかはわかりませんが,今後も同じ問題意識に立って経済学の有用性を伝えて行けたらと考えています.

2008年5月 7日 01:00

社会における競争からドロップアウトしても一定水準の暮らしが出来るならば初期資産や才能に起因する結果の不平等があってもなお,(弱い基準で)平等な社会が達成されると言えるのではないでしょうか.

2008年4月28日 01:00

第一に必要とされるのが王朝仮説的な遺産とライフサイクル的な遺産とが自ずから区別できるようなシステムの作成です.簡単に言うならば,王朝仮説にしたがって行動している人が遺産を残さないような制度が作成できるならば,死後の残存財産は全てライフサイクル的な遺産(?)です.このような遺産にはどんな高税率を掛けたとしても十分に根拠があるでしょう.

2008年4月21日 01:00

私たち(といっても筆者自身はまだ意識したことはないですが)はなぜ遺産を残すのでしょう.貯蓄と消費に関する代表的な仮説から考えてみましょう.

2008年4月14日 01:00

 世の中には様々な格差,そしてそれを論じる格差論が存在します.こんなに広範で曖昧な問題を「そのまま」の形で論じることは出来ません.まずは問題の分割からです.

2008年3月28日 01:00

ビジネスでの意思決定において経験則は重要です。しかし、ともすると経験則は内生変数間の相関をあぶり出しただけのモノに過ぎないかも知れません。もし、あなたの心の内にある経験則が内生変数間の相関に過ぎないとしたならば、それに基づいて何か新しいプロジェクトを考えることは出来ないのです。

2008年3月 4日 01:00

 演繹的な色彩の強い経済学は,演繹法の利点とその限界をどのように克服して(というよりも,どう折り合いを付けて)その結論を紡ぎ出しているのでしょう.

2008年2月25日 01:00

経済学部出身者が本当に数字・統計に明るいかという問題がさておき、少々形而上学的な話……「数字・統計に明るい」ことはなんで「イイ!」のでしょう。

2008年2月17日 01:00

現在の日本では、消費者物価指数の上昇によってGDPデフレーターが低下している状況です。経済政策、とくに金融政策を巡る論争はGDPデフレーターを用いて(せめてコアコア指数を用いて)行わなければなりません。論争、そして思考はその目的に適した定義に従って行う必要があるのです。

2008年2月10日 00:39

最近の経済問題ではこの「定義」の問題によほど注意してかからねばなりません。論争の最低限のルール(と私が思っていること)の一つは「用語の定義は公式のもの、または最も一般的なもの」に従うという点ですが、現在の経済問題にはこの「一般的な定義」がぶれているのもあるのです。

2008年2月 2日 00:13

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飯田泰之の「ソーシャル・サイエンス・ハック!」

プロフィール

1975年生まれ。駒沢大学経済学部准教授。著書に『経済学思考の技術』『ダメな議論』、共著に『論争 日本の経済危機』『セミナール経済政策入門』などがある。

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