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石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」

温暖化問題と切り離せない経済。「お金」と温暖化の関係を追う。

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宮沢賢治が1930年ごろに書いた「グスコーブドリの伝記」という童話があります。イーハトーブという架空の国に住み、幼いころから冷害に悩んだグスコーブドリが、自らが犠牲になって火山を爆発させCO2を大気中に増やして大気を暖めて人々を救うという物語です。

2008年11月27日 08:30

先進国の温室効果ガスの削減義務を定めた京都議定書の取り決めの結果、世界最高水準のエネルギー効率を持つ日本の産業界はかなりの負担を背負っています。1997年の議定書の採択から現在まで、エネルギー、素材産業の関係者は、誰もが激しく政府と議定書を批判しています。

2008年11月20日 13:30

「YES, WE CAN」というスローガンとともに、アメリカの次期大統領にバラク・オバマ上院議員が選出されました。その自伝を読み、数々の見事な演説を聞くと、聡明で誠実な人柄が浮かび上がります。そして、スマートでかっこいい人物です。「何かをやってくれそうだ」。他国人の私もそんな期待を抱きます。

2008年11月13日 13:30

「万巻の書を読み、万里の道を行く」。士大夫の心構えとして、中国の格言にこのような言葉があります。知識を吸収し、実地で確かめることを推奨しているのでしょう。私は旅行が趣味ですが、この言葉を知って旅をするごとに、その地域や見たものの背景を一層考えるようになりました。

2008年11月 6日 12:00

「『空からお金が降ってくる』と、国内の産業人はみんな喜んでいる」。あるシンポジウムで中国のシンクタンクの研究員が述べていました。国連が関与する国際協定・京都議定書で決められたCDM(クリーン開発メカニズム)に言及したものです。今回はこの「国連製」排出権について考えます。

2008年10月30日 12:00

国内排出量取引制度が10月21日に発表されました。メディアでは温暖化対策の「目玉」との期待が先行していますが、実態を検証するとその効果はなさそうです。この問題には、さまざまな考えがあるとおもいます。読者の皆様のご意見をうかがいたいと切に思います。

2008年10月23日 13:00

2004年からデンマークの統計学者であるビョルン・ロンボルグ氏が中心となり、世界の経済学者を集めて地球規模の問題の解決を提案する会議が開かれています。そして「コペンハーゲン・コンセンサス」という声明を毎年発表しています。2008年の声明では、30の世界規模の課題を列挙し、その優先順位を発表しています。

2008年10月16日 11:00

「未来を創る最善の方法が未来を発明することだとしたら、次善の方法は未来に投資することだ」。アメリカの金融界でカリスマ的な影響力を持つベンチャー・キャピタリストのジョン・ドーア氏はこんな印象的なことを言っています。彼はもはや「ネット」の世界に関心がありません。

2008年10月 9日 13:40

衆議院の解散・総選挙が近づいています。温暖化対策をめぐる、自民・民主の二大政党の政策を比較してみましょう。自民党の地球温暖化対策推進本部は中間報告を今年6月に発表しました。一方、民主党も『環境政策ビジョン』を同9月に打ち出しました。これらを比べると、両党の政策は接近しています。

2008年10月 2日 13:00

家電製品、車などの移動機械、日常のエネルギー消費などで、「エコに役立つ」ことを強調する商業広告やメディア情報があふれています。「環境保護派」に属する私にとっても、多すぎる情報に戸惑いますし、使いこなせていません。読者の皆さんも、同じ感想を抱くのではないでしょうか。

2008年9月25日 13:00

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石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」

プロフィール

石井孝明(いしい・たかあき)

経済・環境ジャーナリスト。1971年生まれ。時事通信社、経済誌フィナンシャル ジャパンの記者を経てフリーランス。著書に『京都議定書は実現できるのか〜CO2規制社会のゆくえ』など。ご意見・ご感想はこちらまで。