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松浦晋也の「モビリティ・ビジョン」

今後、テクノロジーの発達に伴い大きく変化していく”乗り物”をちょっと違った角度から考え、体験する。

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私も電気自動車に試乗する機会に恵まれた。独BMWのMINI-Eだ。その感想はといえば「これは普通の自動車だ」というものだった。「それじゃ」と彼の運転するMINI-Eが走り出す。そこで私は大きな衝撃を受けた。なんて静かなんだ。ほとんど音がしないじゃないか。

2011年5月19日 14:30

今回の震災から都市計画の面で学ぶことがあるとすると、まずは道路交通の中に自転車をきちんと位置付けることだと私は考える。震災時の帰宅困難者の存在は、解決不可能ではない。自転車という乗り物を有効活用し、それに合わせた都市計画を実施することで解決可能な問題だと私は考える。

2011年4月28日 14:00

ミニ以降も、いくつか自動車の小型化に関する意欲的な設計やコンセプトが出現したが、今回は、公害と交通戦争真っ盛りだった1970年代後半に、とある建築家が提案した風変わりなコンセプトを紹介しよう。建築家の名前は上田篤。コンセプトの名前は「ツボグルマ」という。漢字にすると「坪車」だ。

2010年12月20日 14:30

SF映画「ロボコップ」に、SUX-6000という架空の自動車が出てくるのをご存知だろうか。作中CMで「アメリカの伝統、大きいことはいいことだ」と宣伝されていたラグジュアリーカーだ。悪役クラレンス一味は「大きくて燃費の悪い自動車をよこせ」とこの自動車を要求し、あげくに銃の試し打ちで破壊したりする。

2010年11月19日 15:00

鉄道、航空機と並んで自動車は20世紀を彩り、21世紀もそれ以降も生き延びて行くであろう交通機関だ。自動車がもたらすモビリティは、人々の生活を後戻り不可能なほどに変えた。その一方で、自動車は交通事故や公害、廃棄自動車といった多くの問題をも生み出してきた。

2010年10月21日 13:30

昨年、かなりの回数を費やして交通機関としての自転車の可能性について論じた。すると過日、五百住守彦さんという方から、メールが届いた。自転車2.0という主張に共感した。ついては、自分は新しい交通機関を作るという観点から折り畳み自転車を開発し、販売しているという。

2010年9月21日 14:30

投資は回収し、さらなる収益と利便を産み出すことによって初めて生きる。1970年代から80年代にかけて、日本にはお金があった。お金があった時に、考え抜いてきちんと正しい投資をしていれば、投資は利益と利便を生んで、失われた時代の日本を支えるのに役立ったはずだ。しかしそうはならなかった。

2010年7月15日 14:30

これまで2回、さんざん新交通システムの欠点をつついてきたわけだが、では逆に新交通システムを使うべき場所、新交通システムの正しい使い方は存在するのだろうか。どこかに新交通システムならではの使い道が存在するのだろうか、というのが今回の主題である。

2010年5月24日 18:00

前回から引き続いて新交通システムの話だ。モノレールと新交通システムを取り上げるにあたって、私は可能な限り実地に赴き、現地を調べてみた。その感想はといえば「まあ、実に第三セクターというのは無駄極まりないことをしているのだな」というものだった。

2010年4月19日 19:00

今回は新交通システムを取り上げることにする。前回、モノレールを「たそがれ未来」と形容したが、私としては新交通システムを「間違った未来」と呼称したい。新交通システムというのは、一般にコンクリート制の高架軌道の上をゴムタイヤを使用する軽量車両が走る交通システムだ。

2010年3月24日 12:00

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松浦晋也の「モビリティ・ビジョン」

プロフィール

ノンフィクションライター。1962年、東京都出身。日経BP社記者を経て、現在は主に航空宇宙分野で執筆活動を行っている。著書に火星探査機『のぞみ』の開発と運用を追った『恐るべき旅路』(朝日新聞社)、スペースシャトルの設計が抱える問題点を指摘した『スペースシャトルの落日』(エクスナレッジ)、桁外れの趣味人たちをレポートした『コダワリ人のおもちゃ箱』(エクスナレッジ)などがある。

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