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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

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3D映画特集(5):『アバター』IMAX 3D版公開が決定、8/21先行上映会も

2009年8月13日

(4)から続く

この特集の第1回で予想した通り、『アバター』のIMAX 3D版が日本でも公開されることが、東急レクリエーションより8月12日に正式発表された。なお、『アバター』については8月21日(金)に約20分の3D映像を全世界で同時に上映するイベントが予定されており、「109シネマズ」3館(川崎、菖蒲、箕面)のIMAXデジタルシアターでもこの上映会を実施。当日の『ナイト ミュージアム2』IMAX版のチケット購入者が対象になるとのこと(詳細ページ)。

日本ではほかにも、TOHOシネマズの7劇場(六本木、川崎、横浜、名古屋、なんば、梅田、久山)と新宿バルト9で上映会がある。これらの劇場が近くにあり、前評判の高い『アバター』の3D映像をいち早く観たいという方は、それぞれのリンク先をチェックしてほしい。

『アバター』は宇宙を舞台にしたSFアクション大作だが、「IMAX 3Dと宇宙」というつながりで言うと、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)を題材にしたドキュメンタリー映画『Hubble 3D』が2010年春に米国などで公開される予定だ。IMAXはIMAX Space社という自前のプロダクションを持っていて、『Hubble 3D』もこの会社が製作を進めている。

各国のIMAX館では宇宙や自然をテーマにしたドキュメンタリー作品も多数上映されており、その1つである短編作品『Hubble: Galaxies Across Space and Time』(2004年公開)がYouTubeにアップされていた(下の動画)。来年の『Hubble 3D』はこれをさらにスケールアップし、3D映像で宇宙の広がりを体感させてくれる作品になりそうだ。

『アバター』から話はそれるが、アニメやファンタジー以外に家族で楽しめる3D映画のジャンルとして、ネイチャー/サイエンス系のドキュメンタリーが今後増えてくる見込みで、興収の面でも期待されている。たとえば今年2月に米国で封切られた40分の中編『Under the Sea 3D』(下の動画)は、米国の週末興収で10位台後半から20位台前半をほぼキープしながら26週のロングランになっている(しかも23週目の7月第3週週末から夏休み効果か、約1割増しの30万ドル台に盛り返している)。

日本では今のところ『Under the Sea 3D』と※『Hubble 3D』は公開が決まっていないが、IMAX以外の3Dドキュメンタリーに範囲を広げると、『OceanWorld 3D』と『アース 3D』(2008年公開の『アース』の3Dバージョン)の2本がギャガ・コミュニケーションズ配給で2010年中に封切られる予定だ。[※8/16追記:大阪市のサントリーミュージアム天保山にあるサントリーIMAXシアターで9月1日~2010年2月28日の期間、『ブルーオアシスIII 3D』というタイトルで上映されることが決まった(サントリーが8/14に出したリリース)]

海の生物を3D映像で楽しみたいなら、東京・銀座のソニービルで8月31日まで無料開催されている『42nd Sony Aquarium 2009 ─ハイビジョン沖縄美ら海水族館─』もおすすめだ。8階の200インチ大画面を備えた「OPUS」で約9分の映像が鑑賞できるほか、1階では現在ソニーが研究開発中という「3Dディスプレイ」での映像も体験できるという。

最終回に続く

[関連エントリ]
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『Avatar』、映画史を変えるか--24分の3D映像が初披露
公開2日間は500円:NASA協力のドキュメンタリー『宇宙(そら)へ。』
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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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