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合原亮一の「電脳自然生活」

環境問題から生き方まで、地球ととことん付き合う方法論を模索する。

パケ死エピローグ:請求書が到着して再度ビックリ

2010年9月21日

話の出発点へ

先週末、ソフトバンクからiPadの通信料金の請求書が届いた。開いてみると、47万円。一瞬ドキッとするが、ソフトバンクから、自動引き落としを一時的に解除するので、今月分に付いては直接振り込んで欲しいとの連絡があったことを思い出す。短期間に金額を修正したり請求書の発送を止めるのは、システム的に難しいのだろう。その時、高額のままの請求書が送られてくる可能性があると思っていた。

幸い高額請求は免除されることになっているので、気を落ち着けながら中を見る。請求書明細に印刷された金額を見て、もう一度驚いた。何と、90万円という数字が印字されているではないか。通信料の請求金額は46万円だったはずだったが、実際はさらに高額だったということだ。

請求書の明細によると、実際の世界対応ケータイ・パケット通信料は、46万円ではなく90万6404円だったことになる。幸いなことに、利用したキャリアのうち一部は定額対象事業者だったので、その割引分が43万8842円で、実際の請求額は差し引き46万7562円だったということのようだ。

先日、通信料が46万円という高額になった理由を分析した。その際に、移動距離が長かった日や郊外に居た日の通信料が突出していたので、多数のキャリアを渡り歩いてしまった結果高額になったのではないかと推定した。主要都市滞在時にはiPadの使用時間ほどには通信料が発生していなかったからだ。

主要都市なら定額対象事業者のネットワークに接続されていた可能性が高いと考えたからなのだが、定額対象事業者の通信料が、実はほぼ同額の43万円もあったので、推定を再検討して整理してみた。残念ながら日ごとの明細はなく、総額しか分からないので、以下は確度を保証出来ない推測だ。

まず90万円という金額にインパクトがある。この金額はオランダ滞在中の通信料なのだが、オランダ総滞在時間も90時間ぐらいだ。つまり寝ている時間も入れて、毎時間1万円の通信料と言うことになる。毎日24万円だ。最初に入手した日ごとの請求の最高が23万円だったので、この日が特別と思っていたが、平均的な日だったことになる。

4泊のうち2泊はWi-Fiを提供しているホテルに宿泊したので、実は総通信量はもっと多い。実は請求が少ない日の中にも、移動距離が長く、iPadをかなりの時間使った日があった。アムステルダム郊外中心だったので、定額対象事業者を利用した可能性が高いのと、初日だったので、それほどiPadを使わなかったので金額が低いと思っていた。この日も最大だった日同様、23万円の通信料と仮定しても、まだ20万円以上どこかで利用したことになる。

通信量が高かった日も、ロッテルダムやアムステルダムといった大都市にも滞在していた。良く考えてみると、定額対象事業者ではないキャリアしか使わなかったということは無いだろう。つまり、1日にしては最大の請求額23万円も、定額対象事業者分は含まれておらず、割引前の料金はさらに高額だったというのが事実に近そうだ。ソフトバンクの課金単位は日本時間なので、時差がある海外の場合はずれが生じている。あまり細かい分析は意味がないのでこれぐらいしておくが、明細から明らかになったのは、困った結論だ。

旅行中に便利にiPadを使っただけで、毎日平均24万円の通信料金が発生するというのが、今回のパケ死事件の結論だ。前回、郊外など電波が弱そうな地域で広範囲で利用すると、利用したキャリアの数が増えて利用量以上の請求につながるのではないかと推定した。それ自体は間違っていないかもしれないが、その影響はそれほど大きく無かった、ということだ。

定額対象事業者利用分だけで、割引前は1日10万円を越えていたのだ。海外では、パケット定額以外の利用はたとえ短時間でも、たとえ大都市でも、絶対に避けなければならないというのが最終的な結論ということになる。

続く

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プロフィール

川崎重工業人事部・川重米国本社CFOを経てガリレオに参加。ガリレオの業務の傍ら、環境問題、食糧問題に関心を持ち、「電脳自然生活」を目指して有機農業で米、野菜を作る。

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