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合原亮一の「電脳自然生活」

環境問題から生き方まで、地球ととことん付き合う方法論を模索する。

iPadは便利だったが、高額請求の連絡で話は終わらなかった

2010年9月10日

話の出発点へ

2日(時差の関係で実際には約3日)後にオランダ(写真)から日本に帰ってみると、iPadの通信料金の請求金額が46万円に増えていた。何でそんなことになるんだ。詳しく聞いてみると、最初の請求は実は23万円だったとのこと。連絡があった以降は使っていないのに、いつのまにか倍増したことになる。

windmill.jpg

そもそもiPadの海外での利用について、7月にスタッフに確認してもらったときの報告は以下のようなものだった(無関係の部分の削除、誤字脱字の訂正以外は変えていない)。


ソフトバンクに電話確認しました。
オランダで使用できるそうです。
現地でiPadの設定を変更することになります。

データローミングがオフになっているので、それをオンに。
この設定で使用できるようになるそうです。

料金は海外パケット定額で、最大1480円/日とのことです。


最初にオランダに着いてiPadを開いた時、データローミングをオンにしろ、というメッセージが出た。指示された通りオンにして、そのまま使っていた。高額の通信料金の請求が来て直ちに使用を止めた。ところが請求が2倍になった。言う通りにするとどんどん請求が増えていくというのは許し難い。

スタッフがソフトバンクに確認したところ、連絡した時点ではまだ請求が来ていなかった海外のキャリアがあり、連絡した後に到着したものがあったとのことだった。利用日ごとの明細を聞いたところ、以下のようになっているとのことだった。


8/07  33,178円
8/08  159,756円
8/09  228,618円
8/10  27,442円
8/11  11,168円

合計   460,162円


何度見ても恐ろしい金額だ。1日で23万円使っている日がある・・・。これ自体かなりショックな事実だ。旅行中のことであり、そう長時間iPadを使っているわけはない。しかもデータ量の多い動画や音楽などは全く使っていないのにである。

ソフトバンクからは、直ぐに請求書を送るので、8日以内に支払えとのこと。こちらは説明された通りに使っただけなので、当然のことながら抗議したところ「高額請求の免除」というものを申請することになった。ただし、ソフトバンクに落ち度がない限り、免除にならないとのこと。回答には2-3日かかるとのことだった。

ただ、金額が最も大きい8月8日と8月9日という日には、思い当たることがあった。両日とも、公共交通機関で結構な距離を移動したのだ。今回の旅行は、難しいスケジュールを無理矢理調整したので全く準備が追いつかなかった。出発前日は出張して客先でミーティング。その晩は別のお客さんと暑気払い。その前3日はボランティアで幼稚園児を引率してキャンプ。その前の週末は村の研究委員会と暑気払い。その前の日もお客さんと夕食会。

合間に少しはネットで行き先のことを調べてはおいたが、夜もほとんど家にいなかったので、準備の暇は全くなかった。オランダは鉄道が発達しているのでどこでも行けそう。アイスランドはバスの便がありそう。iPadが使えるから現地で何でも調べられる。いざとなったらレンタカー借りればいいや。というわけで、フライトとホテルを押さえただけで当日になってしまった。

実際には市内までのアクセスを調べておらず、空港に着いた途端慌てふためいたりした訳だが、iPadのおかげで行こうと思っていた以上のところを回ることができた。海外でバスや路面電車などの公共交通機関を利用するのはかなり難易度が高い。でもiPadを持っていれば、今自分がどこを移動しているか、かなり正確に把握出来る。おかげで不安を感じたり、時間を無駄にすることがほとんどなかった。鉄道やバスの時刻表をはじめ、街の地図もiPadだけあれば事足りていた。

仕事の面でも、毎日メールで日本とやりとり出来るので安心だ。というわけで、iPadのマップとWebにお世話になっていたのは実は毎日のことだった。それが、8日と9日だけ通信料金が多額になっている。実はこの両日は、特に長距離を移動した日だった。

8日には世界遺産に登録されているキンデルダイクの風車群(本稿冒頭の写真)を訪問するために、オランダ政府の推奨するアクセス方法、つまりアムステルダムから鉄道でロッテルダムに移動し、ロッテルダムからキンデルダイクは観光船(下の写真)で往復した。

showboat.jpg

ロッテルダムまで2時間近く。キンデルダイクまではさらに1時間以上かかる。実はロッテルダムに近づくまで、船がどこから出るか知らなかったし、船に乗ったときも、キンデルダイクがどっちの方向にあるかすら知らなかったのだ。それでもiPadを見ていれば、自分が運河に沿って西に移動し、運河の分岐では北の方に入ったことがわかるので、その先にキンデルダイクを見つけることができるのだった。

確認はしていないが、GPSで自分の位置を確認するにはネットに接続している必要があるようだ。いずれにせよ、周囲の地図情報をフェッチし続けているはず。つまり、かなりの距離を、しかもそのかなりの部分は郊外の通信環境のあまり良く無いかもしれない地域を、通信状態のまま移動したことになる。これが通信料が高額になった理由では無いだろうか。

続く

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プロフィール

川崎重工業人事部・川重米国本社CFOを経てガリレオに参加。ガリレオの業務の傍ら、環境問題、食糧問題に関心を持ち、「電脳自然生活」を目指して有機農業で米、野菜を作る。

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