キーボードを組み立て直すが、そこで悲劇が
2010年9月22日
キーボードの組み立てにかかる時間のほとんどは、キートップの組付けだ。パンタグラフをメタルシートに組み付けていくだけだが、外すより組み立てる方が時間がかかる。写真はあと一息というところで撮影したものだ。
この直後、悲劇は訪れた。確かスペースキーを取り付けているときだったと思う。キーボードに付いているコネクターモジュールが外れかけたのだ。
キーボードに黒い細長いプレートが付いているのに気付かれた方もいると思うが、これがキーボードとトラックパッドや他のフレキシブル基盤を接続するためのコネクターモジュールだ。
キーボードのフレキシブル基盤も、このモジュールのコネクターに接続されている。通常なら外すのだが、キーボードとの接続部分だけ、特別にテープで固定してあった。何か特別な意味があるのかもしれないと思い、他の接続は全部外したもののキーボードには付けたままにしておいた。そのモジュールから、フレキシブル基盤が外れかけたのだ。
そう思ったのは錯覚で、良く見ると、モジュールの基盤からコネクターが脱落しかけていた。思わず作業の手が止まって、凍り付いてしまった。コネクターから外れたのなら差し込み直せばすむが、基盤から外れたコネクターを直すのは難しい。
パソコンを分解する際、コネクター類の扱いは気を使う。フレキシブル基盤による接続が増え、扱いが悪いと断線しやすいことと、小型化、薄型化の影響でコネクター自体が小さくなり、力をかけるとコネクターが壊れることがあるからだ。多端子の表面実装のため、ソルダリング(ハンダ付け)も非常に難しい。要するに、壊れると修理不能なのだ。
外れたハンダ付け部分(写真)を良く見ると、端子がかなり腐食している。外れた原因が、繰り返し洗浄した際に加わった力や、キートップ組付け時に無理な力が加わった可能性もあるが、醤油が流れ込んでショートし、腐食や発熱した際の振動で接続が甘くなったことが原因の一端の可能性がある。
この事故で、文字通り頭を抱えてしまった。どうしよう。一番望ましいのは、コネクターをソルダリングし直すことだが、正直言って難易度はかなり高い。というか普通は無理。本来専用設備が必要なのだ。機械結合することも考えたが、簡単に機械結合し、仮組してテストしてみたが、起動すらしなかった。
接点を磨き、接点復活剤を塗布して再度トライしてみることは出来るが、確実性が低い。コネクターと基盤をジャンパー線でコツコツとつなぐという方法なら、不可能ではないかも。ただこの2つの方法の問題点は、絶縁するのが大変ということと、寸法的に本体内に納まらなくなる危険性があることだ。
アップルがコネクターモジュールだけ売ってくれれば問題は解決するのだが、まあ望み薄だろう。それに、キーボードが正常動作する保証もないし、染み出した醤油がマザーやSSDに問題を発生させている可能性もある。キーボードだけにあまりコストや時間をかけるのは得策ではない。
USBキーボードを使う、という選択肢もある。持ち歩きは不便になるが、内蔵キーボードがなくても問題ない。ただ、1つ大きな問題があった。電源が入らないのである。上の写真で、キーボードから出ている丸いパーツが見えるだろうか。電源スイッチである。キーボードのフレキシブル基盤と一体になっていて、キーボードがコネクターにつながっていなければ電源スイッチが働かないのだ。
多分この構造が、醤油がかかった時に勝手に起動した原因ではないかと思う。キーボードの2枚のフレキシブル基盤間は醤油で一杯で、ほぼ完全にショートしていたと思われる。つまり電源スイッチもショートしていたのだ。他のキーボード入力もあるし、長押しと認識される可能性もあるわけだが、ともかく勝手に電源が入ったり落ちたりしても不思議ではないのだ。しかしまあ、2本ぐらいならジャンパー線でつなぐという方法もある。
アップルに修理に出す、という選択もある。良くてトッププレートごと交換で数万円はかかるだろう。
ここまで考えたところで、時間が無くなってしまった。夕方人と会う約束があったのだ。とりあえずMacBook Airは重症で、対策には時間がかかる。今日のところはiPadを持っていけば何とかなるだろう。夜の部も予定が入っていたが、幸いキャンセルになりそうだ。とにかく早く帰ってきて対策を立てることにしよう。
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合原亮一の「電脳自然生活」
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