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合原亮一の「電脳自然生活」

環境問題から生き方まで、地球ととことん付き合う方法論を模索する。

MacBook Airバラバラ事件

2010年9月13日

真夏の夜の悪夢2題(最初の話)へ

8月も終わりに近い週末の朝、僕はわが家の4トントラックを運転して、キャンプ場に向かっていた。荷台にはキャンプの資材が積み込まれている。小学生を主役に、60人以上参加するキャンプなので、必要な資材も結構多いのだ。準備部隊は車3台に分乗して、列を組んでキャンプ場を目指していた。トラックの助手席には、ボランティアに参加してくれた長男が乗り込んでいる。

途中の信号が赤で止まったとき、何となく悪い予感がしたので、長男が用意してくれたパソコンバッグを開いて、MacBook Airの様子を確認する。熱気が噴き出し、MacBook Airの冷却ファンが全開で回っている。

「スリープ確認してからバッグに入れろって言っただろ」

「確認したよ」

「でも熱暴走しそうな勢いだぞ」

「本当だ。おかしいなあ」

「このままだと危険だから、強制終了して、しばらく冷やしてからバッグに戻してくれ」

「わかった」

キャンプ場が近づき山間コースに入った。トラックはどうしても遅れがちなので、それ以降は運転に専念していたので、MacBook Airのことは頭から消えていた。

キャンプ場に到着してトラックから資材を降ろす。荷物を降ろし終わったトラックを駐車場に回そうとして、運転席に積んであった荷物を下ろし忘れていることに気付いた。パソコンバックもある。念のため開けてみると、また熱気が噴き出した。

ちょうど通りかかった長男に、「おい、また回りっぱなしだぞ、何とかしてくれ」と押し付けて、トラックを駐車場に停めて戻ってくると、長男が深刻な顔をしてMacBook Airを睨んでいる。「これ終了出来ないよ」「そんなはずないだろう」と覗き込むと、焼おにぎりのようないい匂いが漂って来た。

もちろん思い当たる節がある。前の日に、醤油がかかった「らしい」のだ。

続く

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プロフィール

川崎重工業人事部・川重米国本社CFOを経てガリレオに参加。ガリレオの業務の傍ら、環境問題、食糧問題に関心を持ち、「電脳自然生活」を目指して有機農業で米、野菜を作る。

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