1.提案の骨子
2011年5月31日
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1.提案の骨子
1-3号機の燃料が溶融し、圧力容器、格納容器とも損傷を受けて健全性を失っている可能性が高いことは、早くから指摘されていたが、報道によると東京電力もこれを認めた。現在のジレンマは、冷却を維持するために注水を続けなければならないが、その一部が汚染水として流出してしまう点にある。その結果、燃料を水没させることができず、冷却水を循環させて安定冷却することができない状況となっている。また大量の汚染水の存在も一因となり、建屋内の放射能汚染と湿度の高さが、対策の障害となっている。
本提案の核心は、短期間に大容量の汚染水プールを構築することで、汚染水対策、施設全体の除染、炉心を水没させないままでの循環冷却を短期間に可能にする点にある。
まず、冷却海水取水路を囲む防波堤の内側に大容量のプールを構築する。このプールに汚染水を収容することができるだけでなく、汚染水の増加に対応できるので、作業に必要な施設を水で洗浄し、除染することができる。建屋内などの線量を下げることで、作業効率が向上し、最終的な炉心安定化の早期実現が可能になる。
次に各炉心から排出され続けている汚染された水蒸気をこのプールに導き、プールを第2の圧力抑制プールとして機能させ蒸気を凝縮させることで蒸気の放出がなくなり、放射能の環境への放出を大幅に抑制できる。
このプールの汚染水に対して、脱塩、浄化処理を行い、浄化された水を施設の洗浄や炉心の冷却に使うことで、閉鎖冷却ループが構築され、汚染水の増加も無くなる。
一方使用済み燃料プールは環境に開放されているため、破壊された建屋に代わるバリアの再建が必要である。循環冷却が確立されれば内部を負圧に維持できるようになり、特殊シートによって囲うことで放出を抑制できる。ただしバリアの構造は今後の長期的な処理に活用できるものとする必要がある。
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合原亮一の「電脳自然生活」
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