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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

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公開決定速報:『アルビン号の深海探検3D』と『ダークナイト』IMAX版

2009年8月24日


9月と10月、注目の2作品の日本公開が決まった。後日レビュー記事で改めて詳しく取り上げるつもりだが、取り急ぎ公開に関する情報を紹介する。

『アルビン号の深海探検3D』

メキシコ沖の東太平洋、水深3000メートルの深海底とそこに生息する生物たちを、米ウッズホール海洋研究所所有の潜水艇「アルビン号」がとらえた希少な3D実写映像が、ドキュメンタリー映画になって全国のワーナーマイカル系を中心に10月24日公開される。製作はNHK関連会社の国際メディア・コーポレーション(MICO)で、同社の和田郁夫氏が監督・脚本を共同で務める。ナレーションは山本耕史。上映時間は40分で、鑑賞料金は大人1300円、子供1000円の予定。公式サイトもできている(予告編もあり)。

和田氏から直接、お話をうかがうことができた。MICOは国際マーケットにおける映像ソフト購入ビジネスを展開し、NHKなどに作品を提供するほか、番組のDVD化も手がけるが、公開映画の製作は今回が初となる。「今回の3Dの動きが単なるブームに終わらなければ、放送の標準化は必至で、NHKの関係会社として制作のノウハウを蓄積する必要がある」との考えから、3D映画製作に乗り出したという。3D放送標準化を見据えた布石というわけで、現在は唯一日本BS放送(BS11デジタル)が3Dコンテンツを放送しているが、来年はパナソニックが3D対応テレビとBDレコーダーのシステムを発売することもあって、映画館だけでなく家庭でも3D映像を楽しむ環境が意外に早く整うのかもしれない。

アルビン号は建造こそ1964年と古いが、4500メートルの潜水能力を持ち、タイタニック号の潜水調査でも知られる。YouTubeで探してみたら、米海洋大気局(NOAA)がアップしたアルビン号によるアラスカ湾の深海生物の映像が見つかった。


(NOAAのOcean Explorerチャンネルにはほかにも興味深い海洋生物の動画がたくさんあり、フサアンコウ属の一種未同定のイカが特におすすめ)

また、和田氏によると、アルビン号の映像素材に出会う前は、元々「3Dで宇宙のブラックホールもの」を検討していたという。宇宙ものの製作、公開も大いに期待!


『ダークナイト』IMAX版

こちらは今日(8/24)に東急レクリエーションが発表したもので、『ダークナイト』IMAX版が9月12日から「109シネマズ」3館(川崎、菖蒲、箕面)のIMAXデジタルシアターで公開されることが決まった。リリースによると、『ダークナイト』(クリストファー・ノーラン監督、2008年公開)のIMAX版は全世界で6480万ドルを超える大ヒット(実写映画でのIMAX歴代興行1位)を記録したものの、日本ではIMAX版の通常興行は行なわれなかったという(菖蒲と箕面では今年6月に1回限りの特別上映を実施した)。

IMAXデジタルシアターではその後に9月19日公開の『くもりときどきミートボール』が控えているため、1週間の限定公開になるかもしれない(観客動員によっては19日以降も上映回で作品をかけ替える可能性もあるが)。前から観たかったという人も多いと思うので、この機会をお見逃しなく。

また、関係者の方にうかがった話によると、現在日本に3館しかないIMAXデジタルシアターの4番目のスクリーンが、年内オープンに向けて準備中だという(場所は明言できないが、以前のエントリにヒントあり)。冬から来年春にかけて 『Disney's クリスマス・キャロル』『アバター』『アリス・イン・ワンダーランド』と超大作・話題作が続くこともあり、既存のIMAX館の成績次第ではさらに第5、第6のスクリーンが登場して、より多くの地域でIMAX版を楽しめるようになるかもしれない。

東急レクリエーションのリリース(PDF)


[関連エントリ]
3D映画特集(5):『アバター』IMAX 3D版公開が決定、8/21先行上映会も
IMAXデジタルシアターで観た『トランスフォーマー/リベンジ』
『深海の世界』Blu-ray版:ユメナマコやオオグチボヤなど、変な生き物を高画質で

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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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