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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

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「映画でたどるCGの歴史」ワイアード編

2008年9月15日

9月14日にWOWOWで放送された『CG進化論-映画でたどるCG45年史-』。CGクリエイターたちへのインタビューを盛り込みつつ、コンピューター・グラフィックスがどのように発展し、その技術的成果がいかに映画に採り入れられてきたかを、歴代のCG映画の名作を紹介しながら概説する充実したドキュメンタリーでした。

WOWOWで今後オンエアされる映画のPRも兼ねた番組なので、DVD化される可能性もまずないため、契約者以外が目にする機会はなさそう。ただ、CGアニメの歴史に限れば、番組の中で紹介されていた『ピクサー・ショート・フィルム & ピクサー・ストーリー 完全保存版(注:音が出ます)』のDVDとブルーレイディスクが11月7日に発売されるので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか(スティーブ・ジョブズ氏のコメントも収録されていて、番組中でも一部引用されていました)。

CG映画の歴代名作といえば、映画サイト『Rotten Tomatoes』が1ヵ月ほど前に、『20 CGI Classics - From T2 to Batman Begins to WALL-E』と題して、20本のCG映画を選んでいます。この記事は1991年の『ターミネーター2』から今年の『WALL-E(ウォーリー)』まで、1ページに1作品が割り当てられているので閲覧がちょっと面倒ですが、時間のある方はどうぞ。WOWOWの番組で紹介された映画と割と一致しています。

ワイアードの記事でもこれまで、当時最新のCG映画について紹介しています。日本語版のアーカイブは1998年07月以降になるので、やや範囲は狭まるものの、映画とCGに言及した主な記事を集めてみました。

1998年
デジタルアニメ映画『Antz』が公開
1999年
HDTV技術を活用する最新映画『スペース・カウボーイズ』
2000年
ディズニーの超大作アニメ映画『ダイナソー』
2001年
リアルを追求するデジタルアニメ
本物に近づく「バーチャル俳優」
2003年
リナックスで作ったドリームワークスの最新アニメ映画『シンドバッド』
『マトリックス レボリューションズ』特殊効果監修者インタビュー
2004年
アニメ映画『ポーラー・エクスプレス』レビュー
2005年
リメイク版『キング・コング』レビュー
2007年
『スパイダーマン3』CG――何十億粒もの砂をレンダリング

ついでに、当ブログでCG映画やCGアニメについて取り上げたのは以下の3本。

“Apple度”の高い映画『WALL-E』、段ボール自転車、その他の拾いネタ
3D映画『センター・オブ・ジ・アース』を内覧試写で鑑賞
「不気味の谷」を越えた? Image Metrics社のフォトリアルなCGアニメ

個人的には、最近観た映画の中でCGが特に印象に残っているのは『センター・オブ・ジ・アース』、『スピード・レーサー』、『アイアンマン』あたり。ウォシャウスキー兄弟が監督した『スピード・レーサー』は、キャンディのような極彩色のビジュアルが鮮烈で、『マトリックス』のスタイリッシュな映像とは方向が異なるものの、面白い表現だなと思いました。『アイアンマン』は先日試写で観てきたので、近く紹介記事をアップする予定です。

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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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