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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

アートと技術、オーディオビジュアル、メディアをめぐる話題をピックアップ

“Apple度”の高い映画『WALL-E』、段ボール自転車、その他の拾いネタ

2008年6月28日

今週からスタートしたこのブログですが、独立したエントリーにできなかったネタをまとめて紹介します。毎週末にアップできるかどうかわかりませんが、一応の目標ということで。


PixarのCGアニメ映画『WALL-E』が米で公開

米国で6月27日に封切られた米Walt Disney社配給の『WALL-E』。製作の米Pixar社は、よく知られるようにSteve Jobs氏が共同設立したCG映画スタジオで、PixarがDisneyに買収された現在、Jobs氏はDisneyの個人筆頭株主で役員でもあります。

このようにJobs氏(と米Apple社)と浅からぬ関係にあるPixar製映画ですが、歴代作品の中でも『WALL-E』は特にAppleファンを喜ばせる要素が多い模様。『The Unofficial Apple Weblog』に寄せられた報告によると、主人公のロボット「WALL-E」が起動するときに、なんとMacの起動音!を発するのだとか。それに、ゴミ処理が仕事のWALL-Eは、ゴミの山から気に入ったものを見つけるとコレクションするのが趣味?らしく、ルービックキューブなどのほか『iPod』も保管するそうです。

また、iPodを思わせるデザインのヒロイン「Eve」には、プロトタイプの段階でApple社の工業デザイン担当上級副社長Johnny Ive氏が協力した、と『Fortune』が書いています(もっともIve氏は、Pixar社を1日だけ訪れて、Pixar側がこうしたいと伝えた事柄に対しうなずくばかりで、具体的な改変はほとんど提案しなかったらしい)。

初作品『トイ・ストーリー』以来、CGアニメ映画を革新してきたPixar社が、最新作でどんな映像を見せてくれるのか。今年12月の日本公開が今から楽しみです。


リアルかたつむりメール

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(Logo: Bournemouth University)

インターネット歴が長い人なら、「snail mail」という言葉を覚えているはず。瞬時に届く電子メールに対し、「カタツムリのようにのろい(旧来の)郵便」を指した表現ですが、比喩じゃなくて「本物の生きたカタツムリが運ぶメール」のプロジェクトが、英ボーンマス大学の『RealSnailMail』。

カタツムリが背中の殻に載せて運ぶのは、紙の手紙ではなくてRFIDチップ。このチップにメールのデータを収め、ガラスケースに設置されたRFIDリーダーの地点にカタツムリが到達すると、読み取られたデータがメールの宛先に送信される仕組み。プロジェクトのブログでは写真入りで紹介されています。

配達係の3匹の実績をみると、平均して5日弱程度で届けるらしい。今年8月の『SIGGRAPH 2008』の「スロー・アート」部門に出展され、来場者は実際にメールをカタツムリに託すことができるとか。

ふと思ったのですが、日本の運送業者は動物をマスコット(イメージキャラクター?)にしている企業が多いので、イメージアップに実際の動物を使って似たようなことをやったら面白いかも。黒猫とかペリカンとか。でも道の向こうからカンガルーが跳ねてきたらちょっと怖いかな。さすがにゾウは……。


エコな段ボール自転車

cardboardbike2.jpg
(Photo: Sheffield Hallam University)

recycleできるbicycle、とちょっと洒落も入った段ボール製の自転車を作ったのは、英シェフィールド・ハラム大学で製品デザインを学ぶ学生のPhil Bridge君(21歳)。フレームやハンドル、スポークなどに強化段ボールを使い、ギアやチェーンなどもリサイクルされ、『Times Online』の記事によるとコストは15ポンド(3000円強)。

約76キロまでの体重に耐えられ、雨に濡れても柔らかくならない、低コストなので盗まれにくいなどの利点がありますが、難点は6ヵ月しかもたないこと。デザインもやぼったいしなあ……。BBCのサイトにはニュース動画もあるのですが、実際に人が乗っている場面がない。怪しい。


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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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