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増井俊之の「界面潮流」

「界面」=「インタフェース」。ユーザインタフェース研究の第一人者が、ユビキタス社会やインターフェース技術の動向を読み解く。

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「3次元プリンタ」や「レーザーカッター」などといった機器を活用することによって、これまで不可能だったような工作も個人でやってしまおうというのが「パーソナルファブリケーション」です。このような機器を個人が使ってみる場所を提供しようという「FabLab」という運動が盛んになってきています。

2011年5月16日 14:30

仮に面白い日本語入力手法を思いついたとしても、それをパソコンに組み込むのに苦労するのであれば、なかなか実装を試みる気にならないでしょう。しかし最近のMacでは「IMKit」や「MacRuby」などのシステムが利用できるようになったので、IME作成のハードルが非常に低くなってきました。

2011年4月15日 14:30

スマートフォンでパソコンにタッチしてから上下に動かすことにより「実世界コピペ」を行なったり、タッチしてから左右に回転させることによって音量を調整することもできるでしょう。NFCを内蔵したスマートフォンが普及すればこのような実世界GUIを誰もがどこでも利用できるようになるので、情報家電の使い方が大きく変わる可能性があります。

2011年3月10日 14:30

何気ない選択行動をした後でも、人間は常に自分の行動は正しかったと解釈しがちであることが知られています。自分の行動は正しかったと信じることによって心の平安が得られるからだと思われます。このような「自己正当化の圧力」は非常に強いものであり、「なぜあの人はあやまちを認めないのか」という本で様々な例が紹介されています。

2011年2月10日 13:30

縦書きも横書きもできることは情報視覚化において有利です。古い案内地図では、俯瞰された地形図に対して短冊型の地名が縦に表示されているため、立体感があり、表示効率の良い視覚化が可能になっていますが、横書きの文字ではこのような表示はできません。

2011年1月17日 14:30

何かの練習を始めるとき、最初のうちは上達が実感できるものの、続けるうちに上達の速度が落ちたりスランプに悩んだりすることは誰もが経験することだと思います。東京工業大学名誉教授の木村泉氏は、大量の折り紙を自分で折るのに要する時間を計ることによってその関係について考察しました。

2010年12月14日 13:30

電子書籍の導入によってシステムに大きな変化が起こる領域が確かに存在します。多少便利になるかもしれない事例よりも、不可能だったことが可能になったりすることによって社会が大きく変わる事例について考える方が面白そうです。

2010年11月11日 14:00

文書もメールもWeb上で管理する「クラウドコンピューティング」があたりまえになってきましたが、プログラムの開発はまだ手元のパソコンの上で行なわれるのが普通です。ネット上のプログラミングは現在のところ実用的とはいい難いですが、近い将来は当然のようになるかもしれません。

2010年10月12日 16:30

気合いを入れて何かを操作したいときはじっくりと操作を行ない、そうでない場合はあっさり操作することによってシステムの挙動を変化させるやり方は有効なことが多いと思われます。

2010年9月14日 14:00

人間は絶対的な時間経過を認識する感覚器官を持っていないため、様々な原因によって体感時間が変化してしまうようです。感覚がいい加減であるということは困ったことかもしれませんが、このいい加減さを有効に利用する方法も存在します。

2010年8月17日 14:00

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増井俊之の「界面潮流」

プロフィール

1959年生まれ。ユーザインタフェース研究。POBox、QuickML、本棚.orgなどのシステムを開発。ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、Apple Inc.など勤務を経て現在慶應義塾大学教授。著書に『インターフェイスの街角』などがある。

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