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藤井敏彦の「CSRの本質」

企業の社会的責任(CSR)とは何なのか。欧米と日本を比較しつつ、その本質を問う。

2010、エコなヒットチャートで駆け抜けろ

2010年12月 7日

(これまでの 藤井敏彦の「CSRの本質」はこちら

♪♪(イントロ・バッハ平均律イ短調)

みなさん、こんにちは。毎年12月第一火曜日の午前4時26分、お待ちかねラジオマン・CSRショーの時間がやってまいりました。皆様のお相手は、ラジオマンこと、CSR業界の革命的傍観者、藤井トシヒコです。

今回は年末ということで、毎回年末なんですが、定石とおり、大リクエスト特集です。リスナーの皆様からいただいた少数のお葉書、メール、ファックスを基に、ラジオマンと番組スタッフが針小棒大に曲を厳選。

題して「エコ・チャート。トップ10!」

心しみ入るグリーンな調べ、思わず知らず体が動き出してしまうエコなリズム。30分たっぷりお楽しみください。

今年のCSR界ですが、サプライチェーンマネジメントが脚光を浴びた一年ではなかったでしょうか。ラジオマンも本業でレアアース問題に忙殺されました。ということで、今日最初の曲は持続可能な森林開発を世に問うた社会派演歌の傑作──

われらがサブちゃん、北島三郎さん「与作」です♪

もちろん、与作が切る木は持続可能な森林認証を受けています。

次はリクエストにお応えします。ラジオネーム「エコ命さん」。

「ジャミロクワイの曲から一番エコな曲をお願いします」

ありがとうございます、「エコ命」さん。イギリスのアシッドジャズシーンから登場したグループで最も成功したのがジャミロクワイですね。もう二年前になりますか、この番組にも登場してくれました(カウンターカルチャーとしてのヨーロッパの「グリーン」がニッポンで「エコ」と「ロハス」に姿を変える壮大なる旅路(前篇))。最近ではカップ麺のCMにも登場、大衆化路線を猛進されています。ラジオマン、このジャンルにはちとうるさいです。インコグニートもお勧めのグループ。アシッドジャズとジャズファンクか、様々な呼称のあるスタイルですが。カッコいいですね。

曲はもちろん──

「地球に緊急事態(Emergency on Planet Earth)」♪

いや〜。何度聞いてもしびれます。ちなみにリーダーは地球環境の危機を訴えながらフェラーリやらランボルギーニやら乗り回しておられますが、このあたりも商業的エコならではの割り切り感があって最高です。

はい、さくさく行きましょう。

お便りを紹介します。ラジオネーム「ISO26号」さんです。

「ラジオマンさん、こんにちは。私はメーカーでCSRを担当しています。社内でISO26000が話題になるのですが、認証もないしでどう考えたらよいでしょうか。社内ではどうしてもお金がからまないと関心が向かないので」

ありがとうございます。鉄人28号さん。そうですね。26000は近未来の経営の教科書として読むのがよいと思うんです。14000は試験問題ですが、26000はちがいます。だからチェックリストみたいにとらえるんじゃなくて、なぜこんなことまで問われるんだろうって背景を考えることが大切です。5年後には常識になっていることばかりですから。

曲ですが、「お金」ということと、先ほどアシッドジャズが来ましたので、ジャズの本家本元、デューク・エリントンはどうでしょう。デューク・エリントンは自ら率いたビッグバンドが有名です。「A列車で行こう」はみなさんご存じの代表曲ですが、実はピアノトリオの録音もすごいんです。その中でも私が大の贔屓にしているのがこの曲──

「マネージャングル」♪

はい、いかがでしたでしょう。背筋がゾクッとするような凄みのあるピアノですね。「マネージャングル」に迷い込んでしまうと社会の未来が見通せなくなりますから、みなさん気をつけましょう。

次は日本の曲です。地球温暖化問題を時代に先駆けて提起した曲として再評価の声があがっているこの曲。皆様もうわかりますね。COPのテーマ曲になるって話まであるとかないとか。

日本が世界に、そして次の世代に誇る、オトナの地球温暖化歌謡!

内山田洋とクールファイブ──

「東京砂漠」♪

「とぉ〜きょ〜♪さばぁ〜くぅ〜」っと、一度聞いたら耳から離れない旋律。COP16を成功に導いてくれるといいですね。

次のお便りは、栃木の「ポコポコ」さんからです。
「ラジオマンさん、こんにちは。毎年楽しみに聞いています。エコな曲というとメッセージソングみたいのが多いですが、心温まる曲があるといいなと思います。そんな曲をお願いします。」

ありがとうございます、ポコポコさん。しかし、日本語ほど反復音が沢山ある言葉はないと思うんです。ペコペコ、ポンポン、ガシガシ、グングン、ペケぺケ。ある外国人の友達が最初に覚えた日本語が「ぽかぽか陽気」って言葉だって言ってました。なんかサウンドが可愛いって。たしかにね。

可愛くて心温まるエコソング、といえばこの曲。

ディズニーが送る名曲です──

「It's a small world. 小さな世界」♪

しみじみきますね。地球は小さなものなんです。

ところで私、新しいエコ標語を考えました。戦時中、「欲しがりません。勝つまでは」なんて言いました。お若い方はご存じないかもしれませんが。これ、現代的文脈でよく考えてみるととてもサステナブルな発想じゃないでしょうか。「モッタイナイ」よりももっと積極的にエコですよね。なにせ欲しがらないのですから。

「欲しがりません、エコだから」みたいな。

ということで曲は、もう、みなさんおわかりですね

そうです、歌うは、ローリングストーンズさん!

曲は「サティスファクション」!♪

I can't get no satisfaction〜 エコの真髄ここにありです。

時間も迫ってまいりました。お届け出来きるのはあと二曲です。

今年はワークライフバランスがブレークしましたね。WLBなんて短縮されました。ラジオマンの見立ては見事に外れました(「セクハラ」と「ワークライフバランス」の差異に何を見るか)。

ワークライフバランスを高らかに歌い上げるグループといえば、ユニコーンさんをおいて他にありません。再結成に涙した同輩の皆様も少なからずおられたのではないでしょうか。

昨年の全国ツアーのテーマがすごい。
「蘇る勤労」!
CDのジャケットで見たとき思わず噴き出しそうになりました。

ユニコーンさんの16年ぶりの新アルバム「シャンブル」からラジオマンが涙して拝聴したこの曲。どうぞお聞きください──

「オッサンマーチ」♪

ズズズ
あ、すみません、最近涙もろくって・・・。年はとりたくないですね。

いよいよ最後になりました。今年を締めくくる究極のエコソング。私、この曲のイントロ、何度聞いたことか。野太いベースとギターの刻み、ファンクビートここにありって感じで大好きです。

曲は・・・

スガシカオさん──

えー、「コノユビトマレ」、えーコノユビトマレ、エーコノユビトマレ、
「エコの指とまれ」!!♪

「みんなでエコ」という力強いメッセージ、心打たれますね〜。

さて、みなさまと楽しく過ごしてまいりましたが、そろそろお別れです。今年最初で最後のエコソング特集、いかがでしたでしょうか。ではまた来年、1年後の2011年12月にお会いしましょう。
お相手は、藤井トシヒコでした〜。

♪♪エンディング(永平寺の鐘と読経)

「CSRの本質」読者のみなさん、今年一年ご愛読ありがとうございました。来年も本年に続きお引き立ていただきますよう、伏してお願い申し上げます。
2011年もガンガンいきます!

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プロフィール

1964年生まれ。経済産業研究所コンサルティングフェロー。経済産業省通商機構部参事官。著書に「ヨーロッパのCSRと日本のCSR-何が違い、何を学ぶのか」、共著に「グローバルCSR調達」がある。

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