旺盛なコミュニケーション欲…成長する中国携帯電話市場の気になるユーザー像
2010年8月17日
(これまでの 荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」はこちら)
世間はお盆休み〜休み明けでしょうか。空港の帰国ラッシュ報道を見ると夏休みの終わりを感じます。景気がいいとは言い難い国内なので、新興国などに飛んで、成長の勢いを感じて元気をもらいたいですね。このブログで今年の4月に新興国におけるネット利用についての調査を紹介しましたが、今回はその続編的に中国のモバイルネット事情に関する調査のご紹介です。中国の携帯電話契約数は5月末時点で8億件を突破したなどの報道もあり、日本の国内市場からは想像もつかないスケールです。
米国調査会社のNielsenが、8月4日に中国の携帯電話の利用動向に関する調査をリリースしています。この調査によると中国の携帯電話利用者はほぼ男女同数、年齢層としては25歳〜34歳と35〜44歳のゾーンがいずれも23%と多めです。Eメールやゲーム、音楽などデータ通信を利用する割合が54%と半数を超え、SMSと通話の利用者が36%、通話しかしない利用者は全体の10%となっています。
日本との一番大きな違いは、料金形態が中国ではほぼ9割がプリペイド(前払い)というところですね。そのプリペイドのユーザー(=中国での一般的な携帯電話ユーザー)が携帯電話端末で利用する機能の1位はSMSで87%、次はプリインストールされているゲームが39%、僅差の3位がモバイルネットで37%です。そして着信音ダウンロード(23%)が続き、インスタントメッセージが23%。中国でのIM人気は目を惹きますね。あと突然固有名詞でランクインしているFetion(13%)は携帯電話とPCでSMSのやり取りができるサービスです。Eメールの利用はまだ8%程度ですが、その他のさまざまな方法でコミュニケーションしているといえそうですね。
この元調査には、米国の携帯ユーザーに比べ中国の携帯ユーザーの方がSMSやモバイルネットを利用しているなど、興味深いデータも紹介されています。(中国側の調査対象は都市部ということではありますが…)
ちなみに中国でIMといえばTencent社の提供するQQというソフトなのですが、このTencentはQQ人気からポータルサイトやオンラインゲームを運営し幅広くユーザーを集め収益を上げており、先月、米国の調査会社Comscoreから発表された調査によると、中国のリーチNo.1サイトとなっています。中国ネット界の巨人Baiduに続き、注目したいですね。
荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」
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