Twitterでひろがる共同購入の輪?−Groupon系サイトの国内利用動向−
2010年9月22日
(これまでの 荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」はこちら)
秋を感じられるようになってきました。涼しくなると、何だか急に冷静になるというか、我に返るというか、夏の暑い間に考えていたことが全て幻のように感じたりするのは私だけでしょうか。夏バテなのか、ネットでの新しいマーケティングあれこれにも若干疲れを感じたりしてしまいますが、今回は、最近"急成長"という紹介を目にすることが多い共同購入クーポン販売サイトに関する調査のご紹介です。
9月17日にビデオリサーチインタラクティブから、割引などの特典がついたクーポンを期間限定で販売するサイトが日本でも人気を集めているというリリースがありました。国内でのこれらのサイトの利用者は、今年4月の1万人から先月には159万人に達しているということです。
サイトもどんどん増えており、特に節約意識の高い人、主婦などを中心に広がりを見せているようです。詳しくは調査結果をご覧ください。
こういったサービスの火付け役となったのは、米国の「Groupon」というサイトです。様々な商品・サービスの割引額や割引率が提示され、指定された購入人数が期日までに「購入する」と意思表示すれば、見事その割引が成立するという仕組みです。ネットではこれまでにも様々な共同購入サービスが展開されてきましたが、Twitterなどのソーシャルサービスと組み合わせて購入希望者自らが購入仲間を手軽に募れるようにしたことで、爆発的(?)な広がりを見せているようです。共通の趣味や話題、住む地域などでつながっているソーシャルメディア上で、共同購入を募るのは確かに効果的に感じますね。
では、種々あるソーシャルメディアの購買や口コミへの影響度は、メディアごとに(どのように)違うのか?という観点で調べられたのが次の調査です。米国調査会社のeMarketerから、ブランドのTwitterアカウントのフォロワー、FacebookアカウントのFan、メールの購読者のいずれが良くそのブランドをリコメンドするか、商品を購入するかを比較した調査結果がリリースされています。
「購入する」も「推薦する」もTwitter>Facebookという結果です。が、元記事にもあるように、まだまだTwitterよりFacebookのほうがユーザー数は多い=Twitterの方が先進的ユーザーが多い状態=ネット上での活動(購買、口コミ)が盛んといえるので、Facebookのユーザーの方がより一般の消費者に近いのかもしれません。
別段目新しいと感じないサービスでも、ソーシャルメディアを活用して思わぬ広がりを見せたりするものですね。企業・ブランドのソーシャルメディアでのマーケティングにも、今後もまだまだ新展開があるのでしょう。たぶん。
荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」
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