TIFFレポート(1):アバター・スペシャル・プレゼンテーション
2009年10月21日
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東京国際映画祭(TIFF)で10月17日夜、12月に世界同時公開が予定されている『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督)の27分間の3D映像を上映する「アバター・スペシャル・プレゼンテーション」が実施された。事前の情報によると「世界初公開のシーンも含まれる」とのことだったが、すでに海外の映像・ゲーム関連イベントで上映された20分強のフッテージと比較して「どこが初公開か」といった説明はなかったので、8月に鑑賞した15分の映像から追加されたシーンの概略と感想を中心に書いてみたい。
まず冒頭に、宇宙を航行する宇宙船のシーンが追加されていた。これは主人公のジェイク(サム・ワーシントン)と軍人らが衛星パンドラに向かう宇宙船のようだ。2Dでは巨大に見えるものでも3Dになると妙にこぢんまりしてしまうことがよくあるが、この宇宙船の重量感、宇宙空間の奥行きと広がり、眼下に広がるパンドラの上空に渦巻く雲など、いずれも壮大なスケールを体感でき、こうした構図でもCGのクオリティーが高ければ3Dの長所を発揮できることがよくわかる。
その後に続く、隊長が隊員にブリーフィングしている場所に車イスのジェイクが入っていくシーンと、研究施設でジェイクがリンクマシンを通じて「アバター」の中に意識をリンクさせるシーンは、以前に見た通り。このアバターは、人間のDNAとパンドラの先住民であるナヴィのDNAを掛け合わせて作られた生体で、人間はアバターの体に入ることによって、人体に有毒なパンドラの大気中で呼吸でき、身軽に活動できるようになる。
続いて、ジェイクと植物学の博士(シガニー・ウィーバー)ともう1人の科学者、計3人のアバターが密林を分け入り、ジェイクが巨大な動物に襲われるシークエンス。その後の夜のシーンでは、ジェイクに襲いかかるオオカミに似た動物を、ナヴィの女戦士ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)が弓矢で撃退する。この先に追加シーンがあり、ジェイクがネイティリに導かれてさらに密林の奥深くへと入っていく。この途中で、予告編にもちらっと出ている小さな発光クラゲのように空中を漂う小動物が、ジェイクの回りに群がってくる。驚いたジェイクは払い落とそうとするが、ネイティリがそれを制止し、そのままにしろと言う。明確な説明はないが、傷を癒してくれる生物のようだ。このシークエンスでは、発光生物がジェイクを包み込んで、しばらく留まってからまた一斉にふわふわと離れていく映像が、幻想的でため息が出るほど美しい。
密林を移動している場面では、ジェイクたちが倒木のような細く長い橋を渡っているときに、その下を見下ろすカメラアングルになり、この3D映像の「高さ」の表現が圧倒的に素晴らしい。今まで見てきた3D映画では、実写でもCGアニメでも、これほどまでにリアルで恐怖を覚えるくらいの高さと深さを表現したシーンはなかったように思う。
このほかにも、ジェイクが「バンシー」という翼竜に乗ってネイティリと一緒にランデブー飛行するシーンや、馬に似た6本足の動物を手なずけるシーンなど、ダイナミックなアクションと高低感を含む空間の広がりを体感できる映像が新たに加わっていた。このあたりの物語の展開や映像の魅力についてはまだ語り足りないけれども、長くなってきたので今回はこの辺で。次回は、TIFFの出品作のうち鑑賞できた数本について手短にレビューを書く予定。 (2に続く)
■『アバター』作品情報
12月17日(木) 3D特別前夜祭 決定!
12月18日(金)TOHOシネマズ日劇他全国超拡大ロードショー
公式サイト
20世紀フォックス映画 配給
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