第4回 空間全体がエコ!~「エコロジーideas」探訪~
第2回の記事で取り上げた大坪社長の記者会見後、会場となったパナソニックセンター東京(東京・有明)の2階の環境展示コーナーがちょうどリニューアルしたばかりということで、見学してみることにした。
同センターは、02年のオープン当初から、風力・太陽光利用システム「風かもめ」や、生ごみ処理システム、雨水利用システム、燃料電池コージェネレーションシステムなど最先端の省エネ技術が設置・導入されているエコ施設である。
特に同センターの2階には、隣接する「ユニバーサルデザインideas」コーナーとともに、「エコロジーideas」コーナーが新展開されている。
というわけで、さっそく2階へ。一歩足を踏み入れると、まるでそこは室内ジャングル! アカサヤマメノキやゼラニカ、ニームやジャポチカバなどが、いたるところにニョキニョキと植えられているのだ。そんなグリーンパークのなかに、洗濯機、エアコン、冷蔵庫など、松下グループが開発した最新エコ商品がずらりと並んでいるのである。
ジャングルに迷い込んだ探検家よろしく、ぐるぐる回って解説を読んだり展示品を撮影したりしていると、トイレの展示にふと目が止まった。「なぜにトイレがエコなのか?」と思って説明書きとにらめっこすること数十秒。すると、近くの女性スタッフの方が、いかにこの新型トイレ「アラウーノ」の節水機能が優れているのかについて教えてくれた。どうやら、“ターントラップ洗浄ポンプ”という技術によって、10年前のトイレと比べ一回あたり7.3リットル(大洗浄時)もの節水を実現しているらしい。
さらに商品だけでなく、この展示フロアには「エコロジー ideas」の名にふさわしく、いろいろなアイディアが凝らされていた。
まずは先ほども述べた室内の植物。植物を植えることで、一定の空調や湿度を保てるのだという。単なる自然を感じられるインテリアじゃないのだ。部屋全体の照明も、セラミックメタルランプやパルックボールなど、省エネ照明器具を効果的に配置することで、同じ明るさながら改装前の1/2弱まで消費電力を減らしている。また、隣接しているカフェ「E-FEEL」のテーブルは、すべて廃材でできている。しかも、カフェのカウンターの灯りは、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムで作られた電気が使用されている(加えて、光感知センサーによって、暗くなった時だけライトが点くようになっている)。窓に面した座席スペースは太陽光のみで、テーブルに設置されたノートパソコンで環境コンテンツも楽しめちゃうのである。
それにしても「展示場」に来たという印象が薄くて、どこか心地いいのはなぜだろう?
カフェ「E-FEEL」でくつろぎながら、もう一度全体を見回すと、なんとなくその理由がわかった。照明、カフェ、説明プレートなど、空間を演出するものすべてがエコプロダクツなのだ。商品だけでなく、展示の仕方もアイディアや工夫次第でエコになるんだな~。
- アイディア次第で魅せるエコに
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それは現場で起きている。
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