第2回 社長が語る現場の使命
10月5日、松下電器の大坪文雄社長が「エコアイディア戦略」なるものを大々的に発表するというので、10月5日、りんかい線に乗って、東京・有明にある「パナソニックセンター東京」に向かった。
会場に到着すると、まず規模の大きさに驚愕。300~400人は入りそうな会見場である。見回せば、外国人プレスも多数いる模様。英語、中国語、ロシア語の同時通訳まで完備されているようだ。そしてどこからともなく聞こえてくる小鳥さんたちのさえずり…。さすがは世界の松下、記者会見の環境設定も抜かり無し。
さて記者発表で大坪社長が発表した「エコアイディア戦略」は
「生産活動で生じる二酸化炭素の総排出量を、3年間で30万トン減らす」
というものだった。ポイントは、CO2の削減目標を、これまでの生産台数単位から企業全体での総量削減に切り替えたことにある。
具体的には、
- 省エネ技術の開発と省エネ商品販売の促進
- 生産活動のみならず、調達、販売、物流、リサイクルにいたる全てのモノづくりプロセスで生産性の向上を図る
- 社員だけでなく、地域社会やグローバルにエコ活動を広げる
という3つの「エコアイディア宣言」活動を通じて、今後CO2の削減を目指していく。
しかし、疑問も生じる。
つまり、「利潤追求を目的とする企業活動と環境への取り組みは本質的に矛盾するのではないか!?」という疑問だ。他の新聞記者さんや雑誌の記者さんたちも、似た疑問を抱いたようで、記者発表後に行われた質疑応答で、同じような質問が出ていた。
それに対して大坪社長はこう回答している。
「従来から我々は軽薄短小を商品開発のコンセプトにしてきました。このコンセプトそのものが、省エネ、省資源につながる発想でした。しかしこれからは、よりエネルギー効率、資源効率につながる取り組みを従来以上に強く意識しながら商品開発を進めていくことによって、矛盾無く、生産拡大とエネルギー削減を両立できると考えています」
今回の記者発表が、企業イメージの向上をその目的に含んでいるのは、もちろんのことだが、3年間で30万トンのCO2削減というのは生半可な目標ではないと思われる。その辺に松下電器が「環境」という価値観を本気で広めていく決意を感じる。いったい「現場」では、どんな取り組みが行われているのだろうか? それを確認するのが楽しみだ。
- 軽薄短小+現場の意識=CO2の総量規制
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それは現場で起きている。
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