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第3回 小さな努力の粒が巨大な風船に

「それにしても、で、でかい…」

10月9日、東京ミッドタウンで、ジオラマの上に浮かぶ巨大なバルーンを僕は眺めていた。

幅9.3メートル、奥行き7メートルという巨大ジオラマの頭上に、直径3メートルのバルーンが吊り下げられている。これは、松下電器の環境活動推進キャンペーン「Nのエコアイディア」のキャンペーンイベント用に作製されたジオラマだ。そのオープニングイベントの取材に来ていたのである。

1/300スケールのジオラマの頭上に浮かぶ巨大バルーン。中央には針のような東京タワーが。周囲にいる人たちとジオラマを比べてみるとその大きさがわかる。

このキャンペーンは、2006年10月から2007年9月までに松下電器が削減したCO2の総量を実感してもらうために企画されたものだ。

実際に同社が昨年1年間で削減したCO2の量は、直径870メートルの球体に相当するという。お約束の “東京ドーム”に直すと、約280個分だ。

当日は、松下電器が参画したWWFによる中国・黄海地域の生態系保護プロジェクトや、ベトナム北部での植樹活動の取り組みが紹介されたほか、ゲストのアグネス・チャンさんへのエコ活動に関するインタビュー、幼稚園児たちによるエコソング合唱、エコ活動のキャンペーンキャラクターであるデンマークのグリーンサンタとのQ&Aなどがおこなわれた。

アグネス・チャンさんと子供たち。また、ジオラマの上の球体がスクリーンになり、グリーンサンタがデンマークから生中継で登場。

今回のイベントは、同社の環境活動をグローバルに広めていくという「エコアイディア戦略」に則ったプロモーションとして捉えられる。松下電器コミュニケーショングループ宣伝企画チーム参事の赤木文夫さんによれば、これまでも同社は環境活動のPRをおこなってきたが、これからはCO2削減により焦点を絞ってPRを進めていくことになったそうだ。

当日は僕をはじめとする取材陣のみならず、ミッドタウンをたまたま訪れた通りすがりの人たちが足を止めて、「何これ!?」「スゴイね!」とジオラマやバルーンにしばらくの間見入っていた。

企業の環境活動は、なかなか消費者や社会に認知されづらい部分があったのかもしれない。しかし、CO2の削減量を巨大バルーンという目に見える形でキャッチーに伝える今回のキャンペーンは、改めて松下の企業努力の真剣さを伝える役割を果たしたのではないだろうか。そして、このインパクト抜群の展示を見た多くの人は、一人一人の努力の積み重ねの大切さを心のどこかで実感したはずだ。「小さな心がけや工夫がこんなに大きな効果を生むんだ!」と。

それにしても、これだけのCO2を削減するためには、かなり地道かつ多様なエコ活動がおこなわれているはずだ。モノづくりの現場でどんな努力が積み重ねられているのだろうか? それは徐々にこの連載でレポートしていこうと思う。乞うご期待!

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プロフィール

小林ミノル

スタッフライター。1975年大晦日生まれ。30歳を過ぎ、エコの大切さに遅まきながら気づきはじめる。取材を通して、ニッポン企業の“縁の下の力持ち的”な環境対策を世に広めたいと考えている。