米Yahoo!の大胆なサーチUI変更
2007年10月 4日
(これまでの 関裕司の「サーチ・リテラシー」はこちら)
サーチエンジンがより使いやすくなるということ。それには様々な要因が絡んでくる。最も重要なことは、クエリーに対する関連性(Relevancy)、網羅性(Comprehensiveness)、新鮮さ(Freshness)だろう。クエリーとぴったりマッチする内容のページを上位に表示したり、ロングテールなあらゆる要求に応えたり、最近の出来事や流行にも敏感な検索結果を返さなければならない。これらはここ数年のクローラーとアルゴリズムの改善によってかなり進化している。
検索結果の品質そのものとは別の側面で、サーチエンジンの使いやすさを向上させることもできる。それはユーザインターフェイス(UI)の進化だ。それは単に見た目がわかりやすいとか、操作性がよいといったことに止まらない。利用者の思考を助け、新しい発見、サプライズの体験を提供する。つい最近、米Yahoo!の検索結果ページがリニューアルした。今回のリニューアルは、このUIに関する大きな進化になっている。
Yahoo! Search Blog - From "To Do" to "Done" in One Search
What is Search Assist? - Yahoo! Search
米Yahoo!で試しに何かを検索してみよう。検索のアシストとして「Also try」が上部に表示されることがある。これはこれまでもあった。その上に「▼」のついたタブがないだろうか。これが今回の目玉である。
タブをクリックするとサーチアシストの領域が現れる。領域は左右に分かれ、左側はおそらくこれまでも表示されていた「Also try」の拡張だろう。これは最近のクエリーログからのアシストに違いない。他の人はこんなキーワードで検索してますよ、というサジェストである。「Britney」で検索したところ「britney spears 2007 mtv」というサジェストが現れた。MTVでの彼女の復活ショーは最悪だったらしいけどね。
サーチアシストの右領域、「Explore Concepts」には現在の検索結果を絞り込むためのワードが並んでいる。これも想像だが、こちらはクエリーログからのサジェストではなく、検索されたウェブページから特徴的なワードをピックアップしているのだと思う。こちらをクリックした場合はそのコンセプトでの絞り込みが即座に行われるが、その解除も簡単にできるようになっている。
また今回のリニューアルで検索結果に登場する画像とビデオの扱いもリッチになった。画像とビデオのサムネイルがインラインで表示されるようになっている。特にビデオの場合はその場での再生が可能だ。
ヘッダーのデザイン変更にも注目したい。これまで左上部にあったYahoo!の赤いロゴが右側に移動し、サーチボックスが完全な左寄せとなった。これでサーチボックス内のクエリーと検索結果の位置が揃うことになり、視線の移動がより自然になっている。小さな変更だが、利用者のストレスを大いに軽減してくれるだろう。
米国では検索シェアをGoogleに奪われ苦戦しているYahoo!だが、今回のリニューアルはシェアの奪回とはいかないまでも、利用者の引き止めに大いに貢献するのではないだろうか。
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関裕司の「サーチ・リテラシー」
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