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関裕司の「サーチ・リテラシー」

検索の鉄人が、サーチの周辺事情とユニークなウェブビジネスを読み解く。

Twitter検索でゆるやかな嗜好のつながりを作る

2007年11月 8日

(これまでの 関裕司の「サーチ・リテラシー」はこちら

ここ数ヶ月、マイクロブログのTwitterをよく使っている。「Twitterって何?」という方はウィキペディアを見ていただくか、lomoさんの本を買うといいだろう。Twitterの使い方は人それぞれだが、私の場合はFireFoxに「TwitterFox」というプラグインを入れている。Followしている人がつぶやく度に、ブラウザーの右下でひょこひょことその発言が顔を出す。常にブラウザーを開きっぱなしのまま仕事をしているので、すっかりこのスタイルに慣れてしまった。

Twitterは時々mixiのようなSNSと比較されることがあるが、閉鎖的でベタベタ感のあるSNSが嫌いな私にとっては丁度よい加減のつながり具合である。FollowingとFollowerは人と人とのつながりと見えなくもないが、実際のところは自分の声が届く範囲、相手の声が聞こえる範囲を何となく決めているにすぎない。「@」を使った特定の話題での一瞬のつながりも、後を引かない切れのよさがある。

さて、Twitterを使い始めると誰をFollowしようかと悩んでしまう。Twitter本体にはユーザ検索の機能があるが、「特定の話題での一瞬のつながり」を期待するならこれは役に立たない。私の場合は新原氏が作った「Twitter検索」というツールが非常に役に立った。これはTwitterのユーザを探すためのものではなく、ブログ検索のようにその投稿文を全文検索するものだ。ブログ検索はアフィリエイトやSEO目的のフェイクブログの蔓延で、クエリーによっては酷い結果を見せてくれるのだが、Twitterのログはそのような毒が流されてはおらず、正直で素直な結果を返してくれる。確かに「おはよー」「もうねる」はゴミとも言えなくもないが、別に「おはよー」で検索するわけでもなく、ゴミはそんなに目立たない。検索結果は日付の新しい順に並ぶので、アクティブな人を探せるという効能もある。

私がTwitter検索に入れたクエリーは、気になる地名や好きな食べ物、映画や本のタイトルといったものだ。Twitterの投稿文は文字数が少ないだけに、言いたいことだけをスバリと言う濃さがある。レアなクエリーにヒットするものがあると、もう無条件でFollowである。Followした人が自分の肌に合いそうだとわかるとうれしいものである。さて次はどんなクエリーで検索してみようかと考えるのも楽しい。

最初のうちは知り合いや業界で名の知れた人をFollowしていたものだが、Twitterの本当の面白さはTwitter検索で捕捉をするようになってから感じることができた。自分と似たような趣味、嗜好をもった人を探すなら、Twitter検索はブログ検索よりはるかに簡単に探し出せるツールと言えるだろう。

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プロフィール

1963年生まれ。「検索の鉄人コンテスト」で優勝。40歳を過ぎて「ヤフー ジャパン」に転職。サーファー部の部長としてヤフー検索の精度向上の業務を日米共同で行う。現在はフリーで活動中。

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