EZISON 100/Fingeristにインスパイアされたスピーカーを作る(前編)
2010年3月23日
(これまでの 大谷和利の「General Gadgets」はこちら)
専用機と化すiPhone向けの特製スピーカー
拙著で最新刊の「iPhoneカメラライフ」(BNN新社刊)で採り上げたカメラアプリもそうだが、常に1つのウィンドウだけがスクリーンを占有するiPhoneは、異なるアプリを立ち上げるごとに仮想的な専用機に変身したかのような感覚をユーザーに味あわせてくれる。
楽器アプリの場合も、タッチパネルの応答性と相まって、iPhoneがあたかもギターやピアノに乗っ取られたかのように思えるから、演奏に熱中できるわけだ。
しかし、だからといって、さすがにiPhone自体の形状が変化することはないので、たとえば、そのままiPhoneを手にしてバンドに参加しても演奏スタイルなどの点で、他のプレーヤーとの間に違和感が生じてしまう。
そこで、熱心な楽器アプリユーザーの間では、手近な材料でiPhoneをギター風に演奏できるようなケースというか、アタッチメントのようなものを自作する動きもあった。
それをより本格的にプロダクションベースにのせたものが、トリニティの(ギタリストならぬ)Fingerist(14,800円で3月下旬出荷予定)であり、そのプロトタイプ的な位置づけで限定数量が手作りされているバード電子のEZISON 100(25,800円でロットごとに随時出荷)である。
前編となる今回は、原型的な味わいを持つEZISON 100を紹介し、次回後編で、自分なりのなんちゃって楽器風ケースを自作してみることにする(今月は、新刊関連のイベントや確定申告などが重なり、時間がとれなかったのだ)。
EZISON 100もFingeristも、その本質は、音源となるiPhoneをはめこんで使えるアンプ付きスピーカーだ。ただし、前者はプライウッド製ボディでイヤフォン端子接続、後者は樹脂製ボディでドックコネクタ接続(+ライン出力端子付きで外部アンプにも対応)という点が異なっている。
Ezison 100は、手作りの少量生産品であるため、外装パーツがマニアックなチョイスになっている。たとえば、メインスイッチは金属製のフリップタイプ、ボリュームノブはフェンダーの純正パーツ、ストラップピンもエレキギター用のものだ。
造りもエレキギターに準じて、くり抜かれたボディの空洞部分に回路基板を収め、前後から樹脂カバーで覆う構造が採られている。
バード電子設計のデジタルアンプによる最大2Wの出力は、個人で楽しむには十分。それ以上の大音量を望む場合には、内蔵3Wでライン出力端子付きのFingeristを選択すれば良い。
さて、次回はいよいよ市販の「ある製品」を改造して楽器ケースを自作していくが、EZISON 100やFingeristの方向性や完成度に比べると、ネタ系で脱力感あふれるものになりそうだ。乞うご期待。
大谷和利の「General Gadgets」
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