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大谷和利の「General Gadgets」

古今東西、デジ/アナを問わず、優れたコンセプトを持つ製品を独自の視点で紹介する。

AR.Droneの仮想ポリス仕様を作る

2011年4月15日

(これまでの 大谷和利の「General Gadgets」はこちら

帯写真

 

オフ会での区別のために

最初に、久々の新刊が4月11日に発売されるので、少し宣伝をさせていただきたい。筆者のアスキー新書第4弾となる「iPadがつくる未来 1台のタブレット端末から始まるビジネス&ライフスタイル革命」(760円)がそれだ。

世界的な大ヒットとなったiPadが、ビジネスやライフスタイル、教育など、あらゆる分野で今までの常識を覆す革新を起こしつつある様子を紹介したもので、現在進行形のタブレット革命を概観することができるので、ご一読されることをお勧めしたい。

さて先日、東京の代々木公園でAR.Droneユーザーのミニオフ会があり、筆者を含めて5人のエースパイロット(?)たちが集結した。フリーフライトは1人でも楽しめるが、AR.PursuitというiOS用の対戦アプリを使うには相手が必要となる。以前にも2名で対戦したことはあったが、今回は屋外での対戦は初めてという仲間も増えて、5台の機体が宙を舞った。

代々木公園でのオフ会における機体の集合写真

代々木公園でのオフ会における機体の集合写真。実際の本体は5機だが、複数の屋外用カウルと室内用カウルによって台数が実際よりも多く感じられる。

実は日本国内で販売されているAR.Droneは、なぜかブルーモデルが多く、こうして集まってみると区別が付きにくい。また、純正カラーはいずれにしてもブルー、グリーン、イエローの3色(+室内用カウルのグレー/ホワイト)しかなく、もう少し個性が欲しいとも思っていた。

その中で、ひときわ目を惹いたのがNさんのカスタムカラーカウルだ。F1カーのフェラーリとエナジードリンクのレッドブルをイメージした2つのカラーリングは美しく、外側から塗装したとは思えないほど上手に仕上がっていた(通常のラジコンカーなどの場合には透明ボディパーツの裏側から塗って、表面の艶を活かすことが多いが、AR.Droneの場合には元のカウルの表面に直接塗装する必要がある)。

これを見て、自分でも塗装によるカスタマイズを行うことにしたのである。

Nさんのカスタム屋外用カウル2点

室内用カウル(ローター部分に囲いがある)の上に載ったNさんのカスタム屋外用カウル2点(赤いフェラーリバージョンと青いレッドブルバージョン)。写真にはないが、本体の後端にもLEDライトが装着されていた。これらの出来の良さに刺激されて、今回のカスタマイズにつながった。

カスタマイズを施す前のブルーモデル

カスタマイズを施す前のブルーモデル。元の純正筐体色は3パターンあるが、すべて赤い部分は共通で、その間に配されたカラーが、ブルー、グリーン、イエローと異なっている。

子供の頃には、それなりにプラモデルのカラーリングをしたものだが、最近はまったくご無沙汰していた。しかしながら昔取った杵柄で、ヨドバシのホビー館に赴きカラースプレーやデカールを購入してくる。

さらに、カスタマイズのテーマとしてポリス仕様にすることを想定していたので、赤色の点滅ライトの代わりになるものはないかと物色するうち、100円ショップで自転車用の点滅バルブキャップを入手した。

カラーリング変更のために用意

カラーリング変更のために用意したのは、タミヤの模型用ラッカースプレー、ハセガワの曲面追従半艶シート(オレンジイエロー)、そして文字入れ用のX-DECAL。

100円ショップで自転車用の点滅バルブキャップを購入

そして、ポリスカーの要となる赤色の点滅ライトをイメージして、100円ショップで自転車用の点滅バルブキャップを購入した。

スプレーによる塗装は、つい1度に多めに吹きがちで、塗料のタレで失敗することが多い。今回は慎重に3回の重ね塗りを実行し、それでも乾燥後に確認するとやや塗料が流れた跡が見られたものの、まずまずの仕上がりとなった。

点滅バルブキャップを埋め込むためのカッターによる穴開けも、緊張したが、ほぼピッタリと開けることができた。

3回塗り重ね

筐体色は、薄く均一に、間隔を置いて3回塗り重ねていく。スチロール系素材の先端部分も、思いのほか良く塗料が定着した。

頭頂部分に点滅バルブキャップを埋め込むための穴

頭頂部分に点滅バルブキャップを埋め込むための穴をあける。作業はカッターを使って行った。

デカールは、細いラインなどが貼り込み中に切れるアクシデントもあったが、うまく位置を合わせてつなぎ合わせ、事なきを得た。最後にクリアのスプレーを吹いて、多少の摩擦や衝突では剥げないようにする。

デカールを貼り込んでいく

塗料が完全に乾いたところでデカールを貼り込んでいく。後から追加購入したイタリアの自動車チューナー、アバルトの立体ステッカーに合わせて、イタリア語でポリスを表す"POLIZIA"の文字を入れる。

完成して屋外に持ち出すと、ロイヤルブルーとオレンジイエローの配色が、陽光にひときわ映えるカラーリングとなった。次回のオフ会が楽しみだ。

これまでAR.Droneの改造は主に使い勝手の面で行ってきたが、今回の経験で外装のカラーリング変更にも新たな面白さを発見した。ラジコンファンのみならずプラモデルの愛好家など、色々なホビイストたちが興味を持ってくると、この世界はさらに広がりそうだ。

完成した仮想ポリス仕様のAR.Drone

完成した仮想ポリス仕様のAR.Drone。よく勘違いされるが、写真の右側の二股に分かれているほう(間にカメラがある)が先端部分となる。

ローターの先端部分にも黄色のライン

ローターの先端部分にも黄色のラインを入れたことで、より航空機らしい雰囲気が出ている。

点滅バルブキャップ

点滅バルブキャップは、それなりの振動や傾きが加わらないと光り始めないが、それを飛行時の姿勢でコントロールするのも面白い。

代々木公園でのオフ会のムービー。筆者を含めて5名が参加し、屋外での対戦やフリーフライトを楽しんだ。対戦時には相手の認識のために特定のカラーリングが施された純正カウルが必要だが、フリーフライトでは似たような筐体色では紛らわしいのでカスタムカラーが有効だ。

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プロフィール

テクノロジーライター、原宿 AssistOnアドバイザー、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真分野などの執筆活動のほか、商品企画のコンサルティングを行う。近著に「iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス」、「iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化」、「43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意」、「iPadがつくる未来」(以上、アスキー新書)。「Macintosh名機図鑑」(えい出版社)、「iPhoneカメラライフ」(BNN新社)、「iPhoneカメラ200%活用術」(えい出版社ムック)、「iPhone×Movieスタイル」(寄稿:技術評論社)。

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