POMERAを自分なりの仕事ガジェットに仕立て上げる
2008年11月25日
(これまでの 大谷和利の「General Gadgets」はこちら)
POMERAに関する簡単なおさらい
すでに色々なニュースやブログで採り上げられているので、POMERA(ポメラ)自体の紹介は簡単に済ませるが、これは、テキスト入力に特化した(つまり、基本的にそれしかできない)キングジム製の携帯ツールである。
POMERAとは、ポケットメモライターの(日本語的な)略で、保存したテキストは、USBケーブル、もしくはmicroSDカード経由でPCに転送して利用できるが、ネット接続はおろか、スケジューラなどのPIM的機能も一切持ち合わせていない。
しかし、単機能なだけに、漢字かな変換エンジンと入力装置にはこだわっており、それぞれATOKと2分割折りたたみ式キーボードを備えている。テキスト入力も、あくまでキーボードベースでポインティングデバイスなどはなく、カーソル移動やジャンプは、矢印キー単体もしくは他のキーとのコンビネーションで行う。
実は、大谷はGUIベースのワードプロセシングに慣れていて、本来はキーボードベースのエディタは好みではない。また、POMERAは「パッと開いて2秒で起動」が売りだが、ノートMacのスリープからの復帰はそれよりも速いので、その意味でも困っていない。
それでも、POMERAの割り切り方には1つの哲学を感じ、また、単四乾電池2本で20時間駆動も魅力だった。そして何より、折りたたみ式キーボードを採用した心意気に心が動いて購入に至ったのだ。
天板カラーは、プレミアムブラック、トライライトオレンジ、パールホワイトの3色があり、巷ではオレンジが人気のようだが、自分はあえてホワイトを選んだ。その理由は、後で明かすことにしよう。
POMERAは、画面上に簡単なメニューを表示して編集機能を呼び出せるのだが、付箋文や現在日時の挿入など頻度の高いものに関しては、ファンクションキー(Fキー)に登録されている。
付箋文とは、POMERA独特の機能で、標準状態では「★付箋文★」という文字列を入力や編集途中の文章に挿入することで、後で簡単にそこにジャンプして編集再開を楽に行えるようにするための工夫である。POMERAが扱えるファイルはカーソル位置の記録属性などのないシンプルなテキスト形式のみなので、このようにしたわけだ。
Fキーの割り当ては変更できない仕様なので、とりあえず覚えるしかない。一方で、付箋文の内容はユーザー定義可能なので、ファンクションキーに慣れるまで、これを簡易ヘルプ的に使うことを思いついた。
付箋文の登録には文字数の制限があるものの、Fキーのプリセット割り当てはF1〜F7までなので、半角数字と自前の機能の略称2文字の組み合わせならば何とか収まるわけだ。これで、Fキーの機能を忘れたら付箋文を呼び出して確認できる。
絶対に忘れない接続ケーブル
POMERAはシンプルなだけに、ソフト的なカスタマイズの余地もほとんどないが、これはこれで良いと思う。それでも自分なりの環境は整えたいので、アクセサリなどを工夫することにした。
まず、手を付けたのが、コンピュータ(自分の場合には、もちろんMac)と接続するためのUSBケーブルだ。POMERAだけを持って外出した場合、出先やネットカフェなど、どこでもPCと接続できるようにはしたいが、そのためにはUSBケーブルかmicroSD対応のカードリーダーが必須となる。
調べたところ、エレコムが、携帯電話用にストラップとして持ち歩けるUSBケーブルを発売していた(実売1880円程度)。携帯電話との接続には同梱のアダプタを使うようになっており、ケーブル自体のコネクタはUSB AとUSB ミニB端子、つまりPCとPOMERAの接続に使えるのだ。
ケーブルの外観は少々無骨だが、そこには目をつぶり、とても便利に利用している。
ちなみに、POMERAは公式にはMacに未対応だが、マウントに30秒ほど時間がかかるものの接続可能で、データも改行コードに気をつければ問題なくやりとりできる。
グラフィックチューンを楽しめるケース
次は、携帯時のケースである。純正の専用ケースも出ていて、ポスト・イットが付属し、収納できる点がポイントだが、もうひとひねり欲しい。
アドバイザーを務めるAssistOnで、たまたま布製ブックカバー、Hohonga(ホホンガ)の新書本用のものを自腹購入したところだったので、思い立って、これに入れてみるとサイズがピッタリだった。
Hohongaは、レギュラーモデルは単色だが、自分用に購入したのは限定生産のIka-textileバージョン。これは、アクアテック(全12色のうちブラックが1本付属)という水性マーカーを使ってドットを塗りつぶすことでオリジナルデザインが完成するというものだ。
グラフィックパターンを描いても良いが、大谷はここに、"The world is a book, and those who do not travel read only a page"(この世界は1冊の本。旅をしなければ、その中の1ページしか読むことができない)という聖アウグスティヌスの言葉をドット絵風にデザイン処理して入れてみた。
Ika-textileバージョンの生産数は少ないが、在庫があればレギュラーモデルのページの下のほうに掲載されているので、興味のある方は覗かれたし。
文字通りPOMERA上でスケッチを実現 !?!
さて、Hohongaの内側には、ペンなどを収納できるポケットが付いているが、目ざとい読者の方は、写真を見て何やら変なものが入っていることに気づいたと思う。
1つには、20時間の連続使用(2時間キー入力/2時間待機状態による換算)が可能とはいえ、いざ切れたときに慌てずに済むように、予備のバッテリーを備えることにした。これは、単四電池自体にボールペン用のクリップを直接はめ込み、それをポケットに挿しているのだ。
そして、もう1つは、ホワイトモデルを選択したこととも関係するのだが、インタビューなどでテキスト以外にどうしてもスケッチや図を描いて記録しておきたい場合がある。ポケットには、そういう時のためのマーカーも挿してある。
ただし、マーカーはマーカーでもホワイトボード用のイレイサー付きマーカーで、キャンバスはPOMERAの白い天板だ。
液晶カバーを閉じただけではスリープしないPOMERAの仕様を逆手に取り、ちょこちょことスケッチを描いてデジカメで撮影したら、すぐにイレイサーで消し、またタイピングに戻る。iPhoneで撮影して、Evernoteに貼り付ければ、一足先にサーバーにアップしておくこともできる。
もちろん想定外の使い方だが、デジタルとアナログの融合とは、案外、そんなものではないか。POMERAを使ってみると、そう思うのである。
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大谷和利の「General Gadgets」
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