「SuitePRO V2」でのBIND設定の実際
2008年3月28日
BINDを設定する
BINDの設定ファイルは「/etc/named.conf」になる。編集を始める前に、設定ファイルのバックアップコピーをとっておくと良いだろう。optionsステートメントへは、ゾーン転送を許さない設定である「allow-transfer { none; };」を追加する。ドメイン「example.com」の情報はzoneステートメントで記述する。詳細情報はoptionsステートメントの directoryで指定されたディレクトリに、zoneステートメントのfileで指定したファイル(ゾーンファイル)を用意して、そこへ記述する。以下の例では、「/var/named/example.com」というファイルへ記述することになる。
options { directory "/var/named"; dump-file "/var/named/data/cache_dump.db"; statistics-file "/var/named/data/named_stats.txt"; allow-transfer { none; }; /* * If there is a firewall between you and nameservers you want * to talk to, you might need to uncomment the query-source * directive below. Previous versions of BIND always asked * questions using port 53, but BIND 8.1 uses an unprivileged * port by default. */ // query-source address * port 53; }; (略) zone "example.com" IN { type master; file "example.com"; allow-update { none; }; }; include "/etc/rndc.key";
なお、セカンダリネームサーバについては、SuitePROが提供するネームサーバ(ドメイン名:ns4.sphere.ad.jp 、IPアドレス:202.239.113.30)の利用申請をして使うことができる。この場合はzoneステートメントへ「allow-transfer { 202.239.113.30/32; };」を追加してゾーン転送を許す設定とするが、独自に用意する場合は202.239.113.30の代わりにセカンダリネームサーバのIPアドレスを指定する。なお、申し込みにあたっては、BINDの設定が全て終了してから行うようにしよう。申し込みドメイン名について正常にゾーン転送が可能かどうかチェックされるからだ。申し込み方法は簡単で、コントロールパネルの「DNSの設定」→「セカンダリ登録の申し込み」からできるので、覚えておくといい。
zone "example.com" IN { type master; file "example.com"; allow-update { none; }; allow-transfer { 202.239.113.30/32; }; };
次にゾーンファイルとして指定した「/var/named/example.com」を作成する。BINDの設定ファイルの書式として、「ns.example.com.」のようにドメイン名の最後に「.」(ピリオド)が必要だが、よく忘れるので注意しよう。また、SOAレコードとNSレコードで指定するネームサーバのドメイン名にはレジストラに登録するネームサーバ名(ns.example.com)と対応するもの(ここでは ns.example.com. )を使うことにも注意が必要だ。なお、ここでは、セカンダリネームサーバとしてns4.sphere.ad.jpを指定している。独自のセカンダリネームサーバを用意している場合はそれを指定する。セカンダリネームサーバを用意していない場合は、 ns4.sphere.ad.jp のNSレコードが記述されている行は必要ない。これでBINDの設定は終了である。
$TTL 86400 @ IN SOA ns.example.com. root ( 2008031701 ; serial 3H ; refresh 15M ; retry 1W ; expiry 1D ) ; minimum IN NS ns.example.com. IN NS ns4.sphere.ad.jp. IN MX 10 @ IN A 192.0.2.5 ns IN A 192.0.2.5 www IN A 192.0.2.5
なお、ゾーンファイルの内容を変更した場合はシリアル番号(例では「2008031701 ; serial」の2008031701)の値を増やす。慣例としてはシリアル番号には「年4桁、月2桁、日2桁、連番2桁の数値を連結した値」を指定する。数字を増やすことによりセカンダリネームサーバに設定ファイル(ゾーンファイル)の内容が更新されたことが通知される。
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