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Web2.0時代の情報発信を考える

時代が要求する情報発信型Webサイト 仮想専用サーバ「SuitePRO V2」が情報発信を加速する

MTOSで構築する情報発信型Webサイト

2008年4月23日

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Movable Typeとは?

米SixApart社が開発するブログシステム「Movable Type(ムーバブルタイプ)」が誕生したのは2001年。サンフランシスコに在住するTrott夫妻が開発した個人向けの情報更新ツールで、誰もが簡単にWebサイトの更新ができることが最大の特徴だ。簡易言語でテンプレートのプログラムを行うことが可能で、デベロッパーは拡張機能を開発することができ、ユーザは多数のプラグインを利用できた。また、当時あまり見られなかった洗練された美しいインターフェイスデザインも、世間に受け入れられる要因となったといえるだろう。

その後SixApart社は、組織体制を強化し、ブログ関連ツールやサービスを中心とする企業に変貌した。Movable Typeは、個人向け非商用利用として無償ライセンスが残されるものの、基本は有料ライセンスを購入して使用するパッケージソフトウェアとして提供されることとなった。SixApart社は日本にも法人があり、ライセンスを購入すると1年間日本語でメールによるサポートが受けられる。このサポートは「年間サポート・アップデート(税込み6,300円)」を追加して延長することもできる。

企業として一部運営を外部に委託する想定で中大規模のサイトを運営するのであれば、ライセンスを購入してサポートのあるパッケージを利用するのもいい。ただし、Movable Typeのライセンスはユーザー数でライセンスの金額が変わるので、複数ブログを運営する場合は、ユーザー数に応じたコストが必要となるので注意が必要だ。

オープンソース版MovableTypeを使う理由

今回、仮想専用サーバ「SuitePRO V2」を使った、バーチャルホスティングによる複数サイト運営を視野に入れているので、必然的にユーザー数も増えることとなる。ライセンス数にしばりがあるライセンス体系は比較的不向きだが、Movable Typeには新しくオープンソース版が登場しているので、そちらを利用することにする。

MTOSは、「(製品版)Movable Type コア部分の、GPL (GNU General Public License)による公開」と「開発プロセスのオープン化」(公式サイトより)を行うもので、基本的にMovable Typeの最新バージョン(現行は4)のアーキテクチャを採用し、オープンソース・スタイルの開発方法で進めていくもの。

MTOSのソースコードは製品版のコア部分とほぼ同等になっており、かつ、オープンソース形式で開発が行われるため、いち早く新しい機能などを利用することができる可能性がある。一見、製品版Movable Typeが機能限定でオープンソースになったように受け取られるが、ライセンスが異なりMTOSはあくまで個別のシステムソフトウェアとして提供される位置づけとなる。

また、MTOSは、多様なプラットフォームに対応しているため、導入の意志決定がしやすいのも特徴だ。「SuitePro V2」のOSは、Linux系の「Cent OS」であり、Perlのバージョンも条件を満たしており、MySQLも簡単に導入できるので、問題なくMTOSを利用できる。

システム動作に必要な環境
  • Perl 5.6.1以上 (日本語のブログを作成する場合、Perl 5.8.1以上のバージョンが推奨されている)
  • OS: Linux, Solaris/Unix, BSD, Mac OS X, Windows Server 2003
  • DB: MySQL 4.0以降, PostgreSQL 8以降, SQLite

さて、それでは早速、MTOSを導入してみよう。

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増田(maskin)真樹

IT/NETリサーチャーを経て、ライターとして独立。多数の媒体で執筆活動後、米国シリコンバレーでガレージ起業に参画。帰国後、関心空間、nileport、ソニーblog、@cosmeなど多数のサービスに関与。