バーチャルドメインが使える「SuitePRO V2」
2008年3月26日
VPSのDNS設定にトライする
これからの時代に必須となる「活きたサイト」を構築するには、CMSや複数のドメイン名を使いこなして、動きのあるコミュニティー型のサービスを提供する必要がある。それには共有ホスティングサーバでは力不足となる。しかし社内に自前のサーバを立てたのでは維持管理が大変だ。専用サーバをレンタルすれば、管理は楽になるがお金がかかりすぎる。
この状況の救世主的存在として、ここ数年注目されているのが「仮想専用サーバ」、つまりVPS(バーチャル・プライベート・サーバ)型のホスティングサービスであることは理解してもらえたと思う。しかし専用サーバ同様といっても、VPSの機能に死角はないだろうか。設定が特殊だったり難しすぎるのでは使えない。そこで実際にVPSの設定を行い、その実力のほどを評価してみたいと思う。複数のドメイン名を安価に使いこなす技術であるバーチャルドメインに必須の、DNSの解説と設定から行ってみたい。導入時の初期設定もカバーする予定だ。
VPSにもいくつかあるが、ここでは月額8820円と低価格ながら、専用サーバ同様の機能が使える、WebARENAのSuitePRO V2を使ってみた。回線の速度や品質でも定評のあるNTTPCコミュニケーションズが提供するサービスという点からもSuitePRO V2はお勧めだ。
1台のサーバで多数のドメインが使えるバーチャルドメイン
バーチャルドメインとは、名前の通り、ドメインを仮想的に実現することである。以前は1台のサーバに1つのドメインを割り当ててサービスを提供するのが普通だったが、バーチャルドメイン技術により、1台のサーバへ複数のドメインを割り当てて、ドメイン毎に別のサービスを提供することができるようになった。難しそうに聞こえるかもしれないが、一般的なウェブサーバーの設定ができれば、難しいことない。
クライアントマシンから見ると、それぞれのドメインに別々のサーバが対応しているように見える(図1)。複数の小規模Webサイトを抱えるサイト管理者なら、この機能を使わない手はない、と思うはずだ。そこで、実際にSuitePRO V2でバーチャルドメインを活用するノウハウを、ステップバイステップでわかりやすく説明していこう。この機会に、SuitePRO V2でバーチャルドメインを活用してみてはどうだろうか。
インターネット上に公開されているサービスにたどり着くには、基本的にはすべてのマシンに割り当てられているIPアドレスを使う(図2)。IPアドレスとは、192.0.2.5といった数値の組み合わせなので、人間が覚えていて指定するのはちょっと大変である。そこで考えられたのがDNS(Domain Name System)という仕組みである。インターネット上でドメイン名やホスト名とIPアドレスとの対応づけを管理し、名前解決のサービスを提供している。これでユーザーは覚えづらい数字ではなく、文字のURLで目的のサービスにたどり着けるようになったのである。
編集部注)192.0.2.5 といったIPアドレスは、DNSの仕組みを説明するにあたり、例として使用しているものです。
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