高まりつつある「活きたサイト」への要求に応えるには
2008年3月19日
2003年ごろから始まったブログ・ムーヴメントを皮切りに、技術的な知識を必要とせずコンテンツを公開できるCMS(コンテンツマネジメントシステム)が急速に普及した。その結果、SNSやTwitterといったWebサービスが、新しいコミュニケーションメディアとして利用者に大きく受け入れられた。
CMSによってワールドワイドウェブ(WWW)は、技術力のある一部のユーザーの実験場から、インターネットを利用するすべての人々のための実践的活用の場所へと変貌したのだ。つまり、デザインや演出に凝ってはいるが内容がほとんど更新されることがない「一方的な情報陳列スタイル」のサイトは過去へと葬り去られ、顧客と歩調を合わせ、顧客が動くスピードでコンテンツが更新されていく「活きた」サイトが強く求められるようになった。
活きたサイトには業種によってさまざまな形態がある。従来型の会社案内的ホームページに、ブログを組み合わせたスタイルは、もはや定番中の定番といえる。また、高度なCMSを導入し、各部門から企業内の生の情報を発信するケースも増えている。さらには、オープンソースのSNSをサービスブランドで提供したり、同様にECサイト運営パッケージをオープンソースから導入するケースもある。より先進的なパッケージをサーバにインストールして、顧客との対話をより密にする試みを続けるケース、携帯対応を展開するケースなど、多様性を極めているのが現状なのである。
この状況は当面続くと考えるのが自然だ。なぜなら、たとえWeb界におけるユーザーの活動が沈静化したとしても、この世界から離れるとは考えにくいからだ。もちろん、この潮流に乗らずともメディア露出などでブランド展開の一部としてドメイン名を売り込むことも可能だ。しかし、時間とともに価値が失われていくサイトを、顧客が発信し続ける膨大なコンテンツに埋もれさせず、優位性を維持し続けるのが至難の技であることはいうまでもない。
Webサイトをお客様と企業を結ぶサービス拠点にするには
企業の名やブランド名、サービス名を冠したドメインのサイトは、企業にとって、顧客との接点となる。そう位置付けて考えると、「Webページ」「ホームページ」とさまざまな呼び名があるものの、企業Webサイトは本当の意味での「ホームページ」といえるだろう。しかし現状は、企業にとってホームページの位置づけが変容している。ユーザーが求めるのは、単に資料が並べられたショールーム的ホームページではなく、消費者参加型イベントのような対話型コンテンツの存在だ。
そういった活きたサイトを実現するためには、さまざまなテクノロジーやソフトウェアをサーバに導入する必要がある。幸いなことに現在では多様な選択肢がオープンソースで提供されている。もっとも導入しやすいのは前述したブログ型のCMSだろう。導入するだけで、情報公開型サイトのワークフローが劇的に変わる。CMSが、サーバやシステム運営といったバックエンド側と、デザイン/コンテンツ運営を分離するのを助けてくれるため、導入後のメンテナンスコストが大幅に減り、コンテンツの編集作業だけに注力できる。CMSには様々なタイプがあるが、ポータル・コミュニティ運営型CMSを使用すれば、より幅広いコンテンツを提供できるようになる。
こういった新要素を投入する場合、場合によっては、企業の公式サイトとは別のドメイン名を取得して、併設サイトとしてサービスを提供する必要もでてくるはずだ。重要なのは、「これだけ導入していれば問題ない」という決め打ちされた型は存在していないということだ。多機能なCMSもあるが、万能ではないし、1つにまとめてポータルとして提供することが必ずしもベストとは言えない。大小様々なサービスやコンテンツを適宜導入し、顧客との対話を積極的に続けることが、現状の最適解といってもいいだろう。インターネットの世界は超高速に動いているので、今後はさらに変化のスピードが増すだろう。気がついたら出遅れていたということは、今まで以上に重みのある問題となると考えられるのだ。
このような積極策に対し、「ドメイン名を増やし、サーバを増やし、コンテンツを増やすことで、どれだけのコストがかかると思っているのか」と嘆く姿が見えてくる。何台もサーバを用意して、OSをインストールして、パッチを当てたり、Webサーバやデータベースをインストールし各種設定をする。データ転送量による追加コストの見込みも立てなければならないし、保守体制も整えなくてはならない。それが複数台となれば、混乱をきたすのは目に見えている…外部に依頼すればさらにコストは大きくなる。そんな現実的な障壁について思い浮かべる人がほとんどだろう。
しかしながら、もし、1契約1サーバ月額8820円で、複数のドメイン、複数のWebサイトを、データ転送量無制限で運用できるようになるとしたらどうだろうか。「会社の公式サイト」「公式ブログ」「ユーザーサポート向けCMSサイト」「社内SNS」を異なるドメイン名で運営するようなケースで、それぞれのサービスのためのサーバをハードウェアからまるごと用意する方法に比べて、管理コストも圧倒的に低く抑えられる。そんな選択肢が、SuitePRO V2という名のもとに存在しているのである。次回はそのSuitePRO V2の実際を検討してみよう。
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