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合原亮一の「電脳自然生活」

環境問題から生き方まで、地球ととことん付き合う方法論を模索する。

勝手に起動し、本体温度が上昇し続けるMacBook Air

2010年9月14日

真夏の夜の悪夢2題へ

2番目の悪夢の最初へ

仕事で急な対応が必要になった場合に備え、キャンプに持って来たMacBook Airが暴走して止まらなくなってしまった。強制終了しても、また勝手に起動して暴走し、相当高温になってしまう。それどころか、焼おにぎりのような、醤油が焦げたような匂いまでして来た。

前日キャンプの用意をしている時、食卓の上にMacBook Airを開いたまま置いていた。僕らがトラックに資材を積み込んでいる最中に、家族が風を入れようと食堂の掃出し窓を開けたとのこと。MacBook Airは掃出し窓から2メートル近く離れていたのだが、その時たまたま強い風に吹かれたカーテンがはためき、食卓の醤油差しをMacBook Airのところまで運んでしまい、醤油がかかってしまったとのことだった。

パソコンを食卓の上に置いたままにすることは滅多に無いし、開いたままにすることもまずない。ただその日は、キャンプに持っていく資材のチェックリストがMacBook Airにあり、用意しては消し込んでいたので、作業しやすい食卓の上に置きっぱなしだった。家族の話では「かかったのはちょっとだと思う。自分で見てもらおうと思ってそのまま触っていない」とのことだった。

見ると、キーボードの端の方で醤油が乾きかかっていた。少し内部に流れ込んでいるようだ。「塩分があるので、少しでも拭いておいて欲しかった」と話したものの、スリープから目覚めたので安心してしまった。ただ、キーボードが反応しなかった。

「どれかのキーの接点に醤油が染み込んで、ショートしてるな」と思ったものの、トラックパッドは使えるし、反応も正常だ。USBキーボードを差してみると正常に入力出来た。チェックリストも使える。まだキャンプの準備が残っているし、かかった醤油は少量とのことだったので、手入れは後でもいいだろう、と思ったのが失敗だったようだ。

勝手に起動してしまうところを見ると、電源回路に醤油が流れ込んでショートしているのかもしれない。焼おにぎりのような匂いがするのは醤油が焦げているということで、内部はかなりの高温になっていそうだ。熱暴走だけならまだ良いが、SSDやマザーボード上のチップが飛んでしまったら取り返しがつかない。

困ったことにMacBook Airはバッテリーを外すことができないので、勝手に起動するのを止める方法が無い。バッグの中では熱がこもって高温になってしまう。少しでも放熱を良くするために、開いた状態でキャンプ場の炊事場のコンクリートの上に置き、バッテリーを使い切るのを待つしか無かった。幸いキャンプが終わった時には、MacBook Airはバッテリーを使い果たしたらしく、止まっていた。

キャンプから家に帰って、どうしたものか考えて見た。MacBook Airはユーザーにはメンテナンスすることが出来ないことになっている。アップルに修理に出すのが真っ当な方法だ。しかしSSDのデータが保証されない危険性がある。暴走するようではバックアップが取れるか分からない。直るまで時間がかかるとその間仕事に差し支える。残念ながら最後にバックアップを取ったのは10日ぐらい前だ。データを失うわけにはいかない。

SSDが1.8インチというのも困った点だった。2.5インチHDDと同じ仕様なら、ケースに入れてコピー出来るが、多分コネクタが違うだろう。こぼれた醤油は少しだというし、保証は切れているいることだし、自分で分解してキーボード・アッシーをオーバーホールするしか無いか。幸い他のノートやデスクトップのキーボードはいくつかオーバーホールした経験がある。今日は疲れているのでミスするリスクがある。幸い翌日の月曜は予定は入っていないし、1日あれば何とかなるだろう。最低限の仕事はiPadで出来るだろう。そう考えてその晩は寝ることにした。

続く

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プロフィール

川崎重工業人事部・川重米国本社CFOを経てガリレオに参加。ガリレオの業務の傍ら、環境問題、食糧問題に関心を持ち、「電脳自然生活」を目指して有機農業で米、野菜を作る。

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