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合原亮一の「電脳自然生活」

環境問題から生き方まで、地球ととことん付き合う方法論を模索する。

海外にiPadを持って行くと本当に便利。ただし使い方にご注意

2010年9月 9日

話の出発点に行く

何か変だな、と思ったのは、珍しく携帯電話が鳴ったときだった。場所はアイスランドの首都、レイキャビク中心部のホテルの1室。現地時間で朝の4時頃だったと思う(写真はレイキャビク郊外)。もちろん寝ていた。電話の呼び出し音で目が覚め、電話を手に取ったものの、既に切れていた。眼を覚ますまでに少し時間がかかったのかもしれない。

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困ったことに、ローミングしているので相手の電話番号が分からない。普段ほとんど電話を使わず、メール中心の生活をしているので、会社のスタッフはよっぽど急ぎのことが無ければ電話してこないはず。今回もMacBook AirとiPadが同行していた。もっとも自分でも時差の計算を間違えることがあるので、昼間だと思って電話して来たのかも。それともお客さんから急ぎの電話かもしれない。いずれにしろ誰からか知る方法が無い。

まあ急ぎならまた電話してくるだろう。そう思ってもう一度寝ることにした。しばらくうとうとしたが、あまり良く眠れなかった。6時前に起き出して、メールをチェックすることにした。前日泊まったホテルでネット接続がうまく行かず、2日ほどあまりメールをチェックしていないことを思い出したのだ。その時は、フロントに電話してネット接続をチェックしてもらう余裕もなく、まあいいやとほったらかしにして、翌朝iPadで最近のメールだけ受けたものの、アイスランドへの移動日で忙しく、メールは拾い読みしたままになっていた。

昨晩も、飛行機がアイスランドに着いたのが夕方だった。空港でもたもたしてしまったのでレイキャビク入りが遅れ、ホテルにチェックインした時間と、有名な巨大温泉ブルーラグーン(写真)行きの最終バスの出発時間がほぼ同じだった。ホテル到着が何とかなりそうだったので、空港からの連絡バスの中からブルーラグーン行きを電話で予約しておく。チェックインしてすぐホテルを飛び出した。

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アイスランドの観光バスは、ホテル前でのピックアップが基本なので、ネゴの余地がある。すぐ電話して「まだバスが来ないよ」「もう行ったはずだけど」「待っているんだけど」「仕方ない、もう一度迎えに行ってあげる」。何とか最終のバスに乗せてもらえた。マシンも持って行ったものの、初めてのアイスランドの風景に見とれ、温泉ではマシンを出すわけにいかず、もちろんメールなど見る余裕は無かった。

ブルーラグーンからレイキャビクに戻って来たのは夜の10時。緯度が高いので外はまだ明るい。小腹が空いたのでそのままレストランを探しに行き、軽く1杯飲んだころには日が落ちて暗くなったと思うともう日が変わっていた。ホテルに帰って来てそのまま寝てしまったので、もちろんメールチェックなどしていなかった。何か大事なメールを読んでいないのかもしれない。

メールを受信してみると、「【至急】 26万円請求(ソフトバンクから)」という題名のメールが来ている。何かな、と開いてみると、「ソフトバンクから、海外ローミング?代金として26万円請求が来ている」とのこと。げげげげげ。

何が起こったのか良くわからない。iPadは会社で契約しているので、会社に連絡が来たらしい。もちろん出発前にスタッフに料金を確認させている。「料金は海外パケット定額で、最大1480円/日とのことです」という報告を当時のメールで確認する。それがなぜ26万円?

iPadを使ってさらに請求が増えては大変なので、とりあえずMacBook Airでホテルの回線を使って調べてみる。どうやらパケット定額になるには、国ごとに特定のキャリアに固定して利用しなければならないらしい。もちろんそんなことはしていないが、そもそもそんな説明は受けていない。何かが間違っているのだろうが、現実には26万円の請求が来ている。これが耳にしたことがある「パケ死」というやつか。しかしまさか自分がパケ死するとは。

メールの発信時間を見ると日本時間の午後2時過ぎ。アイスランドはグリニッチ標準時なので、ローカルタイムでは今朝の5時過ぎだ。メインの携帯電話はローミングして持って来ている。こっちの朝4時頃ソフトバンクから連絡を受けてとりあえず電話したということだろう。しかし寝ていてつながらなかったのでメールで連絡した模様。後で確認したところでは、会社も夏休み中で、たまたま出勤していてソフトバンクからの電話を受けたスタッフが僕が海外にいることを知らず、まず電話で連絡を取ろうとしたようだ。

使い続けると料金が上がり続けるので、急いで電話で連絡というのは間違っていない。ただ、僕が電話を沢山持っているのがこういう時に却って障害になったようだ。1台はローミングに対応しておらず、1台は対応しているものの家に置き忘れて来てしまった。つまりつながらない。あちこち連絡してみて、最後に自宅の固定電話に電話して事態を把握し、メール連絡して来たようだ。

いずれにせよ連絡を受けてから最大2時間だし、その間iPadは使っていない。つまりこれ以上通信料金は増えないわけだ。夏休み中のスタッフを呼び出すのもかわいそうだし、細かいことを調査するのは帰国してからでも事態は変わらないだろう。旅行日程もあと2日。ホテルにはネットも来ているし、iPadは使用禁止にするしかない。個人で数日間に使った金額としては26万円は驚きだが、会社全体の通信料金から見ると気を失うほどの金額ではない。そう思った僕が甘かった。

続く

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プロフィール

川崎重工業人事部・川重米国本社CFOを経てガリレオに参加。ガリレオの業務の傍ら、環境問題、食糧問題に関心を持ち、「電脳自然生活」を目指して有機農業で米、野菜を作る。

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