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ガリレオの「Wired翻訳裏話」

Wiredの記事選択作業や翻訳作業中に発見したこと、記事に掲載できなかったことなどをいろいろと。

YouTubeの意外な専用チャンネルと、過激派向け『Aqsa Tube』

2008年11月18日

本日の記事オバマ氏、毎週『YouTube』に登場:動画を編集作業中に知ったのですが、YouTubeにはけっこう多くの「思いがけないチャンネル」がある模様です。

まず有名どころでは英王室の専用チャンネル

「英国皇太子は8時半から執務を始める」そうで、執務室の様子も拝見できる、「英国皇太子のある1日」という動画があったりしますが、「リクエストによって」他サイトへの埋め込みやコメントが無効になっているところが王室らしさでしょうか(注1)。しかし同じページの関連動画には、「ダイアナ対カミラ:ロイヤル・ホラー画像ショー」という動画が掲載されていたりします。

一方、日本の場合、7政党すべてが動画チャンネルを持っており、それらを一覧で見ることができる「日本の政党」ページもあります。これによると、再生回数とチャンネル登録者の数で1位は自由民主党、2位は日本共産党。この2党の人気は、他の政党をかなり引き離しています。(注2)

また、防衛省にも専用チャンネルがあります。主に海上自衛隊によるインド洋で の補給支援活動を紹介するもので、補給船『おうみ』で働くさまざまな人にインタビューを行なっています。なお、防衛省チャンネルの「友だち」には、文科省と農林水産省が載っています(笑)

一方、ワイアード軍事ブログの英文記事によると、イスラム原理主義組織が、YouTubeを真似たプロバガンダ用動画共有サイト『Aqsa Tube』を開設。西側機関によってサイトを差し止められては再びどこかで開設、ということを繰り返しているようです。このサイトは投稿・共有機能などがYouTubeそっくりで、Google広告まで掲載されていた模様です。


「撃つときには安定性よく、混乱しないように」/画像は上記英文記事より

Aqsa Tubeには、パレスチナの組織ハマスのテレビチャンネルal-Aqsa TV(アラビア語からの自動翻訳)へのリンクもありますが、al-Aqsa TV自身は、この動画サイトとは無関係だと表明したそうです。

なお、al-Aqsa TVの番組は、英語の字幕付きでYouTubeにも掲載されており、「ハマスが子供達を教育」という動画などがあります。ちなみに、アラビア語と英語でニュースを放映する衛星テレビ局アルジャジーラ(AlJazeera)の専用チャンネルはこちら(英語版)こちら(アラビア語版)

(注1)記事でも紹介した英政府の専用チャンネルの場合は、埋め込み可能、コメント不可です。日本の防衛省のチャンネルは、両者とも不可。……埋め込みとコメントを許すかどうかという2点は、「YouTube的な民主主義」度を測定できる指標と言えそうです。

(注2)今まで紹介したような専用チャンネルは、だいたい2007年から登録が開始されています。一番早いのは英政府で、メンバー登録は2007年4月。英王室が2007年10月。自民党のメンバー登録は2007年11月、日本共産党のメンバー登録は2007年12月。


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Wiredの翻訳を担当しているガリレオ。日本国内や世界の様々なところに住む翻訳者や開発者が、ネットワーク上で協業している。Twitterはこちら

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