景気が悪くて・・・何が育つ? ガーデニング市場予測
2009年4月21日
(これまでの 荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」はこちら)
初詣でインフルエンザをもらったり、会社が合併したりしているうちに、気付けば新年度です。気分も新たにいろいろなことに取り組みたいですね。年度でも何でも、変わり目というのはある種リセットの機会なのでしょう。最近の不況に関する報道も、不況が様々な事柄の転換点になるという主旨のものを多く目にするようになった気がします。外食をやめて自炊に、弁当に、みたいな調査もよく見かけますね。
というわけで(?)今回はICTから少しはなれて、家庭菜園が好調だという矢野経済研究所のリリースです。2008年のガーデニング市場全体は前年度比−1%と若干減少する見込みということですが、家庭菜園向けの野菜苗・果樹苗は前年度比16%増、2009年も拡大してガーデニング市場全体の成長を牽引すると目されているようです。ここ数年食の安全に関する問題が多く取沙汰された中で、生活者の食に対する意識の高まりが背景にあると解説されています。
それに加えて昨年の原油高騰からの一部食品の値上がり、9月以降のうるさいほどの不況報道から、節約のため家庭菜園を始める人もいそうですね。Yahoo!リサーチから去年の8月にリリースされている「エコ(節約と環境)に関する調査報告書」では「『節約』や『エコロジー(環境)』を意識して実践していること(複数回答)」という質問項目で「家庭菜園・ベランダガーデニング」が18.8%という回答率になっています。地球と家計に優しい家庭菜園というわけです。もちろん時間がないとなかなかできないので、40代50代以降での実践率が高くなっています。
個々人が自炊をしたり自分のための野菜を作るというのは社会全体から見れば(あるいは個人の生活から見ても)非効率という考え方もあるのでしょうが、不況で社会にかかったブレーキみたいなものは、効率や利便性の方向も変えるのでしょう。
今月上旬に発表になった通信利用動向調査ではネットの利用人口が9,000万人を突破ということです。安値を検索するとかECで買い物コストを削減するといった利便性追求型利用と、お金をかけずに長く楽しむという時間消費型利用は従来のネットの姿ですが、それ以外にも、何か生まれてくるのかもしれませんね。
荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」
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