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荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」

Web上に溢れる調査の中から着目すべきデータを読み解き、次のネットビジネスの予兆を発見してみる

オンラインアプリと付せん 〜 情報表現はもっと自由に

2008年11月18日

登場から2年が経過したGoogle DocsとSpreadsheetsのユニークビジターがこの1年で60%増、200万人から320万人になったと米Nielsenが11月14日付けで報じています。

(Nielsen Online Analyst Blogより転載)

オフラインで利用可能になったり、IFや共有機能が強化されたりと改良が加えられている中、利用は着実に伸びているといえるのでしょう。9月にPew Internet & American Life Projectが発表した調査結果によれば、アメリカでのWebメール利用は56%、オンラインに写真を置いているのは34%、ビデオは7%、Google Docsなどのオンラインアプリケーションの利用は29%…などなどとなっています。自宅又は職場以外でラップトップからWifiを使っている人の方がオンラインアプリを利用している割合が高い(それはそうか)などという結果も出ています。

手書きからワープロ、ワープロからデスクトップアプリ、そしてオンラインアプリへと、ツールは変遷してきていますが、一方で10月29日にアイシェアから、PCモニタがライオンに!? モニタに付せんを貼る人の1割が「6枚以上」という調査が発表されていました。PCモニタに付せんを貼るのは全体の28.2%、その中で6枚以上貼る人が10.1%いるということです。手書き万歳。モニタに付せんを貼る人、職場では結構見かけますね。忘れてはいけないことを目に入りやすい場所に貼ったり、しょっちゅう使う情報を書いておいたり。1枚に載せられる情報量がそんなに多くないというのもいいですね。モニタには貼りませんが私も付せんが好きです。

モニタに付せんを貼る理由を考えると、一つはモニタと付せんという異なるメディアを使い分けることによって、情報の属性をメディアごとに分けられるということでしょうか。付せんで情報を残すと、(モニタ上で付せんソフトを使うよりも、)モニタ上のほかの情報と差異化できます。異なるメディアの情報が重なって見えるというのはなんとも注意をひきますね。電脳コイルで一躍話題となったARなどの情報表現も見ているとワクワクします。

もうひとつは手書きの自由さでしょうか。急ぎでメモを取る、アンダーラインを引く、単語を囲って矢印でつなげる…手書き文字は同じ文字数でも自然と情報量が多くなる気がします。付せん派にとっては手書き文字の方が自分に近い情報に感じられるということもあるのでしょうか。

手書きブログやpixivのようなサービスに勢いを感じますし、ニコ動で情報の上に情報を重ねることの面白さや方法論を知らされましたが、タッチパネルの普及等入出力デバイスの進化とともに、情報表現にはまだまだ色んな可能性があるに違いない…と、この調査結果を見て改めて考えさせられました。

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プロフィール

荒川曜子

1981年生まれ。NEC入社後、法人営業担当を経て、ICT市場調査業務を修行することに。株式会社国際社会経済研究所(旧NEC総研)での約3年間の修行を終え、再びNECで仕事をすることになりました。

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