『Astro Boy』(CGアニメ版アトム)の新予告編と、気になる3D方式の話
2009年4月 6日
2月の翻訳記事『「鉄腕アトム」原作の米国映画、資金確保で製作再開(予告編付き)』で紹介したCGアニメ映画『Astro Boy』が、その後も無事に製作が進んでいるようで、3月末に新しい予告編が公開された。
前回の記事でも触れていた声優陣のうち、アストロボーイ役のフレディ・ハイモア(『奇跡のシンフォニー』『チャーリーとチョコレート工場』)と、天馬博士役のニコラス・ケイジ(『ゴーストライダー』『ネクスト』)の声が確認できる。なお、ビル・ナイ(『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなど)が担当するDr. Elefunとは「お茶の水博士」のこと(60年代のアニメでも米国版はこの名前だった)。
ところで、英語版Wikipediaで「Astro Boy (film)」の項を見ると、「『Astro Boy』は日米製作のコンピューターアニメーション3D映画」と書かれている。また、「映画会社[Imagi Animation Studios社]は2006年9月にプロジェクトを発表した。『Real D Cinema』を使ってプレゼンが行なわれた(要出典)」という説明もある。Real D Cinemaは3D映画の上映方式の一種。
さらに、映画ニュースサイト『/FILM』がつい最近、3月29日に掲載した3D映画の興収に関する記事でも、今後公開される3D映画の一覧にしっかり『Astro Boy』が入っている。
ところがどういうわけか、映画の公式サイトを見ても「3D」という言葉が見当たらないのだ。「ストーリー」の冒頭には"It will be brought to life on the big screen in breathtaking CGI animation on October 23rd, 2009."とあり、「CGIアニメ」としか説明されていない(なお、IMDBの情報によると、日本でも同じ10月23日に公開を予定しているようだ)。
同社の親会社Imagi International Holdings社(本社香港)のサイトにも、『Astro Boy』関連のプレスリリースはいくつかあるが、やはり3D方式の上映という話はない。余談だが、このサイトの「OUR FILMS」にあるように、同社はほかにも日本アニメのCGアニメ映画化作品として、『科学忍者隊ガッチャマン』(2010年)、『鉄人28号』(公開時期未定)も進めている。
3D方式に関して、今のところ考えられる可能性は、以下の3つぐらいだろうか。
- 上映する国・地域での3D上映の規模がはっきりしないので、明言を避けている(国によっては2D上映だけになる、とか)。
- 「3DCGアニメ」という説明が、どこかで誤解されて「3D方式の上映」という話になってしまった。その間違った情報がWikipediaに掲載され、他のニュースメディアも間違ったソース(Wikipediaかもしれない)からネタを拾っている。
- プロジェクト立ち上げ時は確かに3D方式で製作・上映する計画だったが、資金難に陥ったこともあって、2D版だけの製作に縮小された。
いずれにせよ数ヵ月のうちに明らかになるだろうが、3番目だったとしたらちょっと悲しい……。とはいえ、せっかくなら3D方式で観たい気もする一方、厳しい予算で無理に3Dにこだわるより作品のクオリティーをしっかり上げることが優先されるべきなのも当然で、なかなか悩ましいところだ。
4月7日追記:上映方式に関して、角川エンタテインメントとImagi社から話をうかがうことができた。詳しくはこちらのエントリで。
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