世界初のMP3レコーダー内蔵エレアコ『Ovation iDea』、米オベーションから
2008年12月17日
アコースティックギターにピックアップを組み込んだエレクトリック・アコースティックギター、通称「エレアコ」を世に広めた革新的ギターメーカーの米Ovation Guitar社が、世界で初めてMP3レコーダーを内蔵する新モデル『Ovation iDea』を発売しました。演奏したギターの音を録音できるほか、ピックアップとは別の内蔵マイクでボーカルを一緒に録音したり、USB端子経由でパソコン(Windows/Mac)とMP3ファイルのやり取りすることも可能。
米Amazon.comでも販売されていて、現在の価格は548.99ドル。ギターの独習にレコーダーを使いたい初心者や、曲作りで手軽に録音できるサブのギターとして弾きたい人にとって、まあまあ手が出しやすい値段でしょうか。
YouTubeには使い方を説明する動画がアップされていました。
ただ個人的には、『DVICE』の書き手の「(ボディーの裏板にグラスファイバーを使った)合成素材のギターより、『Martin D-28』の温かみのあるアコースティックサウンドのほうが好き」という意見に賛成。マーチンなどの伝統的な生ギターのボディーは、豊かな「箱鳴り」を生み出すように作られているのに対し、オベーションのギターは、アンプや演奏会場のPAシステムを介して拡声した際にフィードバック(ハウリング)が起きないよう箱鳴りを極力抑えるという、正反対の設計思想に基づいて製造されています。そのせいで、木の箱がしっかり鳴っている、豊かな倍音を含むマーチンの奥深い響きに比べ、オベーションのサウンドはどうも表面的で、ペリペリッとした音の印象を受けてしまいます。
もっともこれは好みの問題で、オベーションのあの独特の音色が好きという人も多いだろうし、だからこそ70年代から80年代にかけてミュージシャンの支持が広がり、他のメーカーも追随してエレアコを作るようになったわけで。
あと、細かい点だけど、チューナー機能も内蔵されているのは良いですね。チューニングのためだけにギターとチューナーをケーブルでつなぐのって、大した手間ではないけど意外と面倒だし。内蔵チューナーはエレアコの一般的な機能になってもいいんじゃないかと思います。
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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」
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