「自転車に重量級サウンドシステム」が映画に(動画)
2008年8月 4日
昨年12月のワイアードの記事で紹介した、ニューヨーク市クイーンズ地区の若者の間で流行している「重量級サウンドシステム」搭載自転車が、短編のドキュメンタリー映画『Made In Queens』になりました。上はその予告編。この動画では実際どんな音が出るのかが分からなくて残念ですが。
MTV2 Filmsの制作で、Nicolas Randall氏とJoe Stevens氏による共同監督作品。6月に英国エジンバラの映画祭で初公開され、7月にはオーストラリアのメルボルン国際映画祭でも上映されています。
公式サイトには4台の自転車の仕様が掲載されていて、その1つ『TINNITUS REX』は、25センチ径のミッドスピーカーを前輪脇に2発と後輪脇に2発、1000ワットのアンプ2発、12ボルトのバッテリー、さらに15インチ画面のノートパソコンとイコライザーをハンドル上部に搭載しているとのこと。
移民が多いクイーンズ区において、トリニダード・トバゴ移民の若者(民族的にはインド系と思われる※)というごく狭い範囲で流行していることは、この“爆音チャリ”への奇妙な情熱と何らかのかかわりがあるような気もします。余談ですが、公式サイトのブログには、『Made In Queens』のステッカーが原宿に貼られていたというエントリーもありました。
※トリニダード・トバゴなどのカリブ海諸島にインドからの移民が多くなった歴史的経緯は、こちらのサイトに詳しい。それにしても、“西インド諸島”にインド系移民が住みつくなんて、歴史の皮肉というか、コロンブスの勘違いと英国の植民地政策がねじれてリンクした格好だ。
高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」
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