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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

アートと技術、オーディオビジュアル、メディアをめぐる話題をピックアップ

Fiat店舗のインタラクティブな壁面パネルと、Audiによる新車ビデオ+生オケのコラボ

2008年7月 9日

今回は、アート心あふれる自動車メーカーのプロモーションを2つ紹介します。


Fiatのコンセプトストアに設置されたインタラクティブなパネル

英国で2008年2月にオープンしたFiatのコンセプトストア。壁面に並べた9つの40インチ液晶パネルと、天井と壁に設置した48個の赤外線センサーを使い、店内の客の動きに反応するインタラクティブなビデオ・インスタレーションを作りました。製作はMoving BrandsとAKQA。

ワイアードの翻訳ニュースでも過去に取り上げた、米Microsoft社のテーブル型コンピューター『Surface』や、『マイノリティ・レポート』風のマルチタッチ・ディスプレーを思い出しますが、これらはいずれもタッチ式インターフェース。Fiatのほうはジェスチャー反応型なので、パネルの前を歩く客を、紙吹雪に似た色とりどりの小片が群れになって追いかける、といった映像が可能になっています。



(動画その2その3)

Audi Symphony

ブラジルの『The Art of Performance』というイベントで披露されたコラボレーションで、制作は広告代理店のBullet社。Audi社の新車『Audi R8』の映像をバックに、41人編成のオーケストラ、3人のDJ、それに指揮者が演奏を聴かせます。

でも、ただBGMとして生オケを使っているのではなく、製造工程での作業音(映し出されるオートメーションのロボットも曲線的なデザインでかっこいい)や、完成した車の可動部(ワイパーやサスペンションなど)の動作音と、完全にシンクロするようにスコアが書かれているのがミソ。ティーザーっぽい作りの映像も巧みで、思わず見入ってしまいます。

余談ですが、一時期アメリカに住んでいたときにテレビで見て、すごく気に入ったコマーシャルが以下のVolkswagon Jettaの『Synchronicity』。車の動作音や街なかの環境音、人の動作や信号の点滅など、あらゆる音と動きが音楽にシンクロしていて、Audi Symphonyと近いコンセプトですね。実によくできていると思います。

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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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