ロボットが パンクロックでポゴダンス
2008年7月 8日
(Photo: Neurotic)
ロボットと聞いてかっこいい姿を期待した人にはなんだか申し訳ない写真ですが、こんなルックスでも一応ロボット。しかし人は見かけによらぬもの。ロボットもまた然りで、この3体は非常にユニークで最先端の能力を備えています。
それは、人間の脳をモデルにした神経回路網(ニューラル・ネットワーク)を使い、聞き取った音楽のジャンルを判別するというもの。アーティストのFiddian Warman氏と英ロンドン大学クイーンメアリー校のPeter McOwan教授(コンピュータ科学)が、この身長2メートルのロボットを共同製作し、脳に相当するソフトウェアにせっせとパンクロックを聴かせて(笑)、“パンク好き”にしつけました。
その結果、このロボットはパンクの演奏を聴くと、喜びを表してポゴダンス※します。さて、その踊りっぷりはいかに。次のリンク先の動画でお確かめください。
なんというか……微妙ですね。2つめのバンドの演奏が始まってからしばらく固まっていて、「これはパンクだろうか……」と考えている風情が味わい深いです。Warman氏のサイトの説明によると、ソフトは演奏中の音楽の「パンク度」を判定し、ロボットがジャンプする高さを決めるのだそうです(パンク度が低いとジャンプしない)。
ダンスするロボットといえば、『ASIMO』や『AIBO』、最近では女性ヒューマノイドロボット『エマ(E.M.A.)』あたりが有名で、はるかに複雑で洗練された動きを見せますが、これらはあらかじめプログラムされた振り付けを再現しています。
それに対して、パンク・ロボットの方は、音楽のジャンルを聞き分け、パンクロックに合わせて踊るという点がユニーク。この技術が発展していけば、流れている音楽の曲調やテンポに合わせて、さまざまなスタイルで踊ることができる未来のロボットダンサーが登場するかもしれませんね。
※ポゴダンス:(pogo dance) ぴょんぴょんと真上に飛び上がる動きを繰り返すダンスで、パンクの演奏者や観客が行うのがよく知られる。名前の由来は玩具のポゴ・スティック(日本での名称は「ホッピング」)。セックスピストルズのメンバー、シド・ヴィシャスが1976年頃にポゴダンスを発明したという説もある。これに敬意を表してか、上の写真で真ん中のロボットに、ピストルズのシングル『God Save The Queen』のジャケットデザインが確認できる。
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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」
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