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高森郁哉の「ArtとTechの明日が見たい」

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ビートルズ、iTunesより先にビデオゲームで解禁?

2008年6月26日

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今週ワイアードの『Listening Post』も紹介した(英文記事)ように、ビートルズの代理人とビデオゲーム企業2社が、音楽ゲームへのビートルズの楽曲ライセンスで交渉を重ねていると、『Financial Times』(FT)紙が報じました。2社というのは、『Guitar Hero』のメーカー米Activision社と、『Rock Band』を出している米MTV Games社。どちらのゲームも、専用のギター型コントローラーなどを使い、ロックバンドの名曲に合わせて演奏を楽しむというもの。

FT紙によると、数週間程度で合意に達する可能性があり、決まれば数百万ドルの契約額になりそうだとのこと。ただしビートルズ側は、いまだに『iTunes』でのデジタル配信を許可していないなど、楽曲を新しいフォーマットで提供することに消極的なので、すんなり話がまとまるかどうかは微妙(なお、元メンバー4人のソロ作品については、2007年10月までにiTunesでの販売が始まっています)。

Listening Postの記者はゲーム化されたら演奏したい曲を挙げていて、『Blackbird』や『Norwegian Wood』みたいなアコースティックギターがメインの曲はちょっとどうかと思いますが、『Day Tripper』や『While My Guitar Gently Weeps』あたりはまあ妥当かな。僕がこれに追加するなら、『Drive My Car』『She Said, She Said』『Something』あたり。あと、『The End』のジョン、ポール、ジョージ3人によるギターバトルの部分で、自分が好きなパートを選択したうえで他の2人とセッションできるとすごく楽しいかも。

ただまあ、個人的にはゲーム化やiTunesでの配信より、オリジナルアルバムのリマスタリング盤を高音質フォーマットでリリースしてほしいですね。唯一の例外、DVDオーディオで出た『LOVE』(※)もまあまあよかったけど、今度はSACDかブルーレイのバージョンを期待したいところ。たとえば、ニール・ヤングが高精細動画と音楽を同時に楽しめるブルーレイのアーカイブ集をリリースする計画を発表しているので、ビートルズもこれに続いてくれたらなと思います。


※『LOVE』:CDとの2枚組で販売され、DVDオーディオの方はサラウンド収録。シルク・ドゥ・ソレイユの同名公演のためにプロデューサーのジョージ・マーティンとその息子がリミックス、メドレー化した作品で、純粋なビートルズのカタログとは言い難い。以下はその宣伝用ビデオ。

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プロフィール

フリーランスのライター、翻訳者としての活動を経て、2010年3月、ウェブ・メディア・地域事業を手がける(株)コメディアの代表取締役に。多摩地域情報サイト「たまプレ!」編集長。ウェブ媒体などへの寄稿も映画評を中心に継続している。

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