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第21回 METECツアー同行記(3)

昼食の後、「ソックモンキーの手作り教室」がはじまった。「ソックモンキー」は、靴下に綿を入れてつくられたかわいい猿のぬいぐるみのことだ。1920年代の大恐慌時代のアメリカで、シカゴに住むおばあさんが、孫のために使い古しの靴下を使ってつくったのが始まりだといわれている。松下電器では、このソックモンキーの再利用の精神が、エコにつながると考え、テレビCMなどを通じて紹介している。今回の手作り教室もその一環として、ツアーに組み込まれたものだ。我々ツアー参加者は、講師の武井千栄子先生のアドバイスを受けながら、約2時間、オリジナルソックモンキーの製作に没頭した。

ソックモンキーの作り方を解説する武井先生。

ソックモンキーをつくりながら、自分の席の前に大学生のカップルがいたので、このツアーに参加した理由などを質問してみた。2人とも京都在住で、就職活動中の彼女が彼を誘って参加したのだという。

「松下電器のホームページを読んでいてツアーがあることを知り、応募したんです。松下電器がユビキタス技術と環境活動に熱心に取り組んでいることは知っていたのですが、今回ツアーに参加したことで、世界的な企業がどのように社会的責任を果たしているのか、具体的な取り組みがわかってよかったです」

そう語る彼女の横で彼がもくもくと綿を靴下のなかに詰め込んでいる(ちょっと頭が大きい個性的なソックモンキーができあがりつつある)。彼にも話を聞いてみた。

「僕は、彼女に誘われるまで松下電器が環境活動に取り組んでいることを知らなかったんですが、このツアーを通じてその熱心さがわかり、びっくりしました。今度は逆に、他のメーカーがどれくらい環境活動に取り組んでいるのか知りたくなりましたね」

京都在住の大学生の2人。相談しながら製作していた。

今回のツアーの狙いについて、同社宣伝グループ企業宣伝チーム主事の後藤真佐美さんは次のように語る。

「今回のツアーは、松下グループの環境への取り組みをより多くのみなさんに知ってもらうために企画しました。そのために、さまざまな環境の取り組みの中でも、お客様に身近に感じていただける『家電リサイクル』をテーマとすることにしました。リサイクル事業をおこなっているMETECを見学していただくのが、一番効果的ではないかと考えたのです。今回だけではなく今後も続けて開催していきたいですね」

一方、同社環境本部の冨田勝己さんは、企業と消費者の関係をこういったイベントを通じてより深めていきたいと言う。

「環境問題の改善には、消費者と企業の協力関係が不可欠です。今回はウェブや雑誌などのメディアで参加者を募集し、性別や年齢を問わずいろいろな層の方に参加してもらいました。消費者の方の意見もうかがって一方的なものにならないよう気をつけながら、今後も情報発信を続けて行きたいと思います」

ツアーには、そのほか、お母さんを誘って参加した20代の女性や夫婦で参加された方、赤ちゃんを連れて参加された方もいた。そしていずれの参加者もソックモンキーづくりをエンジョイしていた。ソックモンキーには、いまあるものを使って楽しもうという思想がある。エコ活動が大切なことはもちろんだが、その活動が楽しくおこなえるものであればなおさらよいと思う。そういった意味で、僕も含め、この「エコアイディアツアー」に参加した人たちは、エコの持つ楽しさを十分に感じたのではないだろうか。

参加した人たちがつくったソックモンキーたち。

追記
結局取材のために時間が取れずに作りかけになってしまっていたソックモンキーを、帰宅してから完成させてみた。いつもエコに気を配っているかどうか見守ってもらうためにリビングに置いてある。

今日のエコの芽
何事も楽しむことが大切
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プロフィール

小林ミノル

スタッフライター。1975年大晦日生まれ。30歳を過ぎ、エコの大切さに遅まきながら気づきはじめる。取材を通して、ニッポン企業の“縁の下の力持ち的”な環境対策を世に広めたいと考えている。