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第15回 パナソニックセンター大阪に使用済みてんぷら油を持って行ってみた! (1)

大阪市中央区の大阪ビジネスパーク・ツイン21内にあるパナソニックセンター大阪。新製品の紹介や、ユビキタスネットワーク・環境といったショウケースごとの展示とともに、デジタルカメラ講座、館内ガイドツアー、エコバッグのお絵描き工作イベンドなど、子供から大人までを対象にしたさまざまなイベントを開催している。

子供たちを対象にした「エコバッグお絵かき工作」の模様(2008年1月5・6日)

そんななか、パナソニックセンター大阪独自の試みとして注目を集めているのが、使用済みてんぷら油の回収だ。同社の滋賀県草津工場では、社員食堂から出た使用済みてんぷら油を回収し、路線バスのバイオディーゼル燃料として再利用しているが、こちらでは、センター来場者に家庭で使用したてんぷら油を持ち込んでもらい、それを民間の回収業者に引き取ってもらうというキャンペーンを昨年6月から続けている。いったいどのような経緯から、この使用済み天ぷら油の回収運動はスタートしたのだろうか?

「普段環境活動に関心があっても、参加する機会ってそれほど多くないように思うんです。そこで昨年6月の環境月間に、参加型のイベントはないだろうかということで、考案した企画です。最初は使用済みの割り箸を集めようという話にもなったんですが、ちょうどツイン21内の飲食店から出る使用済みてんぷら油が定期的に回収されていることを知り、その回収システムを利用させてもらえるよう交渉したところ、OKが出たので、始めることができました」(パナソニックセンター大阪 運営マーケティングチームの木村香子さん)

使用済みてんぷら油の回収をおこなっているのは、レボインターナショナルという京都の会社だ。2007年に、片山右京氏が使用済みてんぷら油を原料にして製造されたバイオディーゼル燃料「C-FUEL」を100%使ったクルマでパリ・ダカールラリーを完走したが、その燃料供給を行っていたのが同社である。このキャンペーンは断続的に続けられ、4カ月の開催期間中約150人の来場者がペットボトルに使用済みてんぷら油を持ってセンターを訪れてくれたという(通常は、500mlが多いが、1500mlのペットボトルに入れて持って来た人もいたとか!)。

使用済みてんぷら油の回収キャンペーンを担当しているパナソニックセンター大阪の木村さん

「小さいお子さんがいるご家庭では、フライや唐揚げなどが食卓に上るので、てんぷら油の出番って案外多いんですよ。ボーイスカウトやガールスカウトの人たちがグループで見学に来たときに、何十人とペットボトルに入れて使用済みてんぷら油を持ってこられました。今後は全社的な取り組みにしていき、近い将来には、自治体と協力して、この使用済みてんぷら油を使ったバイオディーゼル路線バスを、大阪市内で走らせられたらいいですね」(木村さん)

パナソニックセンター大阪では、さまざまな参加型イベントを今後も開催していきたいとのこと。環境活動においては消費者側からの地道でありつつも積極的なアプローチが必要不可欠だ。なので、近くに住んでいる方はぜひ参加してみてはいかがだろうか? ちょっとした日常の行動が環境活動につながることを実感できるはずだ。

今日のエコの芽
見学だけじゃなく参加もしてみよう!

※この回収キャンペーンは期間を区切って断続的に行われています。また、回収可能なものは植物性のてんぷら油のみとなります。

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それは現場で起きている。

プロフィール

小林ミノル

スタッフライター。1975年大晦日生まれ。30歳を過ぎ、エコの大切さに遅まきながら気づきはじめる。取材を通して、ニッポン企業の“縁の下の力持ち的”な環境対策を世に広めたいと考えている。