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第7回 静かな電動自転車ブーム到来!?

エコな移動手段として注目を浴びている自転車。なかでも電動自転車が静かなブームになっているようだ。1993年に販売がスタートした電動自転車は、各社の参入や技術開発によりコストダウンが進み値段も低下。加えてママチャリタイプのみならずストリートタイプやマウンテンバイクタイプなど種類も増え、06年の販売台数は25万台まで達している。

もちろん電動自転車は、電池が切れれば充電が必要だ。そのためCO2が排出されないわけではない。しかし、同じ距離を自動車や電車で移動するよりも消費エネルギーは格段に少ないし、バイクのように騒音が出るわけでもない。坂道の多い場所を移動するにはうってつけだし、小さな子供を幼稚園や保育園に送り迎えするママたちの強い味方でもある。

自分の回りにも、自転車に乗って通勤・移動している人は少なくない。東京23区は全部自転車移動という猛者もいる(吉田豪さん)。そのうちの1人、イラストレーターのUさんは、移動するのはもっぱらパナソニックサイクルテック社製の「Casual vivi」という電動自転車派だ。しかも、自転車用のオシャレ地下足袋やポンチョを揃え、さらにはGPSまで購入予定(!)だという。

「晴れていて半径5~6キロまでの目的地なら、必ず自転車で向かってます。最近都内の駅周辺は駐輪場も増えているので、置き場所にもそれほど困らないし。それに、猫を飼っているので、ネコ砂など重い荷物を運ぶときに電動自転車はとても便利なんですよ」(Uさん談)

愛車「Casual vivi」に乗るUさん。viviシリーズのバッテリーには、リサイクル原料を多く含むリチウムイオン電池、ニッケル水素電池が使用されている。

ポンチョ着用バージョン。行きが晴れていても帰りが雨の場合に効力を発揮する。

東京都が2007年1月に発表した「自転車の安全利用推進総合プラン」によると、都内駅周辺の駐輪可能台数は2005年の段階で75万台。実はこの数字、乗り入れ台数の72万台を上回っている。ただし、駅から100m以上離れている駐輪場も多く、数年前と比べて減少してはいるものの、11万台の放置自転車が同年には撤去されたそうだ(都の青少年・治安対策本部総合対策部交通安全課に問い合わせたところ、都内駅周辺の駐輪可能台数は2006年には78万9千台まで増加)。また、放置自転車対策は、各市町村ごとの対応となるため、地域によってかなり取り組みに差がある。一方、歩行者と自転車が安全にすれ違える幅3メートル以上の歩道や自転車専用道路の普及率は、欧米と比較して日本は圧倒的に低いままだ。

かつて気候学の第一人者である住明正東京大学教授に取材したとき、住教授は、地球温暖化対策として、エネルギーを使わない“レジャー”をもっと普及させなくてはならず、そのためにはインフラの整備こそが必要だと力説されていた。石原東京都知事には、モーターレースの旗振り役だけでなく、環境負荷の低い自転車関連のインフラ整備をより一層推進してほしいところである。

最後にUさんからはこんな提案も。

「環境活動に関心のある企業は、自転車通勤者に、購入補助金あるいは交通費に代わるものを支給したらいいんじゃないでしょうか?」

これは妙案かも。ただしUさん自身はフリーランスのイラストレーターなので、適用外なのだが…。

今日のエコの芽
エコを楽しむにはインフラ整備が必須
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それは現場で起きている。

プロフィール

小林ミノル

スタッフライター。1975年大晦日生まれ。30歳を過ぎ、エコの大切さに遅まきながら気づきはじめる。取材を通して、ニッポン企業の“縁の下の力持ち的”な環境対策を世に広めたいと考えている。