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第1回 エコのエッセンスを探そう

ここ1年ほど、地球温暖化対策を中心に環境問題に積極的に取り組む企業が増えている。また、ファッションやアートのテーマとしても「エコ」は注目を集め続けている。

率直に考えて、そういった取り組みの増加やイメージが定着するのはいいことだと思う。

ライフスタイルとして「エコ」が確立しつつあるならば、それは喜ばしいことだし、「エコ」の定義の一つが、「日々の暮らしにおけるちょっとした態度の修正によるエネルギーの節約」だとしたら、多くの人に「ちょっとした態度の変更」を促すためには、それが「ハイブリッドカーに乗ってアカデミー賞授賞式にかけつけるハリウッドスター」というイメージの流布であっても、そういったポジティブな方向付けは必要不可欠だからだ。(「エコファッショの到来」を心配するのは、当分先の話だ)。

エネルギーを節約するための革新的な新技術や新製品が、研究者や技術者の弛まざる努力によって誕生している。だが、日常的にそういったものが生まれているわけではない(そもそも、それでは革新的な新技術や新製品ではなくなってしまう)。

一方で、一人一人のちょっとした行動の変化は、積もり積もれば革新的な新技術や新製品に匹敵する大きな効果を生む可能性がある。そしてそういった変化は、生活や仕事場の日常のなかでコツコツと培われていくものだと思う。

この連載では、企業の現場を中心に、そんな隠されたエコの萌芽をみつけて、紹介していくつもりだ。そして、それはなにしろ芽が出たばかりだから、まだ名前もついていないし、かっこよくもないし、華やかさもないかもしれない。あるいは、「これってホントにエコなの?」という代物もあるかもしれない。だけど、大事に育てていけば、大きな花や豊かな実をつける試みがきっとあるはずだ。

とりあえず、そんな問題意識を、このブログの出発点にしようと思う。

今日のエコの芽
「エコのエッセンスを探そう」
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それは現場で起きている。

プロフィール

小林ミノル

スタッフライター。1975年大晦日生まれ。30歳を過ぎ、エコの大切さに遅まきながら気づきはじめる。取材を通して、ニッポン企業の“縁の下の力持ち的”な環境対策を世に広めたいと考えている。