AR.Droneの携帯性向上
2010年12月 5日
(これまでの 大谷和利の「General Gadgets」はこちら)
よりコンパクトに運ぶために
しばらく前に、iOSデバイスで操縦できる4ローターのラジコンヘリコプター、AR.Droneを購入して、iPhoneやiPadの応用事例の1つとしてプレゼンテーションなどでの紹介に活用している。
AR.Droneには、前方と底面の2カ所にカメラを搭載しており、その映像をiOSデバイスの画面に無線送信することで、操縦やARの由来である拡張現実系ゲームをサポートできる仕組みが採用された。
メーカーのパロット社は、この映像の録画を推奨していない(たぶん、盗撮などの可能性を恐れてのことだろう)が、実際にはサードパーティ製のアプリには写真撮影や動画記録の機能を持つものがあり、YouTubeの公式チャンネルでもそうした記録映像の動画が紹介されていたりする。
たとえば、筆者も大阪の淀川の河川敷などで以下のような動画を撮って楽しむことがある。空撮がこれだけ簡単に実現できるということは、使い道によって様々な応用が考えられるだけに、モラルを持って利用したいと思う。
さて、AR.DroneはiOSデバイスとアドホックの(つまり、ベースステーション不要で)無線ネットワークを確立して機能するため、屋外でも飛ばすことができる。しかし、特に屋内用のハル(カウル)まで含めると結構なサイズとなるので、出荷時のパッケージを運搬に利用すると、かなり嵩張ってしまう。そこで、まず最初に手がけたのが、ローターガイドのない屋外用ハルのみを装着した状態でコンパクトに持ち運べる箱の製作だった。
4つのローターを本体と直角の位置で固定してしまうと、本体の前後が出っ張るために縦横比を最小にできない。と言って、並行にすれば幅はかなり狭められるが、長さ方向にかなり出っ張ってしまう。
結局、出荷時のパッケージと同じく45度にするのが収まりとしては良いのだが、予備バッテリーや専用充電器も一緒に入れたかったので、前のローターは斜めに、後ろのローターは本体と並行にした状態で本体を固定することにした。
AR.Drone自体は、見た目以上に頑丈で、少々の墜落では破損したりしないことを確認しているため、ゴムで吊るように固定している他はクッション性にあまり気を使っていない。しかし、これで自転車でも気軽に運べるようになった。
しかし、色々な状況で飛ばしてみると、屋外でもローターガード付きの屋内ハルを使いたいと思えることが多くなった。AR.Droneは、ローターに物が触れるとセンサーが働いて瞬時に回転が止まる仕組みだが、それでも無理な力がかかればストレスを受けたモーターに不調が発生し、正常に飛ばなくなる。したがって、パフォーマンスは多少落ちても、屋内ハルでローターを保護しながら飛ばすほうが精神衛生上は良いのである。
だが、その大きさを考えると、軽いとはいえ屋内ハルの持ち運びは、やや躊躇する。そこで、移動時には分割し、フライト時に再合体できるように加工を行った。
具体的には、スチロール製のハルはカッターで簡単に切ることができるため、前後に切断し、利用時にはマジックテープで留めることにした。
もちろん、こうした改造はパロット社が推奨するするものではないので、試みる方は自己責任でお願いしたい。
ポイントは、切断面が一直線に並ばないように、あえて切る位置をズラすという点だ。こうすることで、折れ曲がりに対して抗力が発生するため、強度を上げることができるのである。
この加工により、屋内用ハルも持ち運びやすくなり、より安心してフライトを楽しめるようになった。
AR.Drone関連の工作アイデアはまだあるので、このコラムを通じて随時紹介していこうと思っている。
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大谷和利の「General Gadgets」
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