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Web2.0時代の情報発信を考える

時代が要求する情報発信型Webサイト 仮想専用サーバ「SuitePRO V2」が情報発信を加速する

CMSを利用したWeb情報発信

2008年4月18日

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CMSが広げたWeb情報発信の可能性

ブログシステムは、CMS(Contents Management System)の一種として、2003年頃から一連のブログブームにより普及し発展していった。

それまでWebサイト運営といえば、「個人ホームページ」として、HTMLやサーバーの知識を持つ、比較的ヘビーなユーザーの独壇場だった。それは前述した「過去のWeb情報発信フロー」そのものであり、デザインはともかく、少なからず技術的な知識が不可欠で、頻繁に更新できる気軽なものではなかったのだ。

ところがブログシステムは、HTMLすら知らない人でも、自分で作ったコンテンツを速やかに発信できる。特別で高価なソフトを購入する必要もない。この気軽さが、ブログブームの起源となり、これまで「情報発信」とは縁の無かった人までをも巻き込み、新しいWeb情報発信の文化を構築していくとともに、ブログシステムの根本であるCMSの可能性を拓いていった。

頻繁なWebサイト更新を実現するCMS

さて、CMSとはいったい、どんなものか。ここで、振り返ってみたいと思う。

CMSの三大ポイント
  • 記事管理機能と記事データベース
  • コンテンツとデザインの分離
  • テンプレートによる多彩な情報発信

まず、「記事管理機能と記事データベース」についてだが、ユーザはブログシステムのWebサイトに用意された編集ツールを使って、記事を直接記入し、システム内の記事データベースに保存することができる。ユーザは、特別なソフトを用意する必要なく、コンテンツ(記事)を作成および管理できるのだ。

もう一点は、「コンテンツとデザインの分離」だ。CMSには、記事とは別に、デザインテンプレートのデータベースが用意されている。Webサイトをレイアウトや用途によって分解し、HTMLやCSSのテンプレート(ひな形)として保存しておくことができるものだ。たとえば、ヘッダやフッタ、トップページ、単一記事ページ、アーカイブページ、コメント欄などにデザインテンプレートが分かれている。CSSでもデザインをある程度分離できたが、CMSでは、さらに詳細までコントロールできるようになっているといってもいいだろう。

ページを公開する際は、当該記事と、それに適用するテンプレートファイルがCMSによって呼び出され、1つのページとして生成される仕組みとなっている。これにより、サイトのレイアウトデザイン担当者は、本質的な見栄えとデザインに集中できるようになる。また、公開されている

最後のポイントは、「テンプレートによる多彩な情報発信」である。記事データベースにためられた情報から、デザインされたHTMLを作成するのみならず、RSS/Atom、テキストファイルなど、さまざまな形式の情報に成形することができる。

RSSやAtomフィードのような情報発信の標準形式でページを成形することで、検索エンジンなどへの露出が促進される。一般ユーザーは、「RSSリーダー」といったRSSやAtomフィードだけを閲覧するツールを使うことが増えており、フィードを配信することで、これまでWebサイトに訪れてもらわなければ見ることができなかった情報が、より多くのユーザに見てもらえる機会が増えるので、WebサイトにはHTMLページとあわせてこれらを用意しておくのが望ましい。

Webサイトの使い方を広げるブログシステム

CMSの中でも、特にブログシステムは、読者との関係を強化する仕組みが投入されている。たとえば、記事に対してコメントを残せる機能や、他のブログユーザがトラックバックで関連記事を投稿するなどの機能である。

コメントは、一般的な掲示板と変わらない仕組みだが、ブログシステムにはユーザ管理機能があるので、コメントを書き込めるユーザを制限することができるなどの優位性もある。また、トラックバックに関しては、標準仕様があるため、同じブログシステムでなくてもトラックバックを投稿することができるようになっている。

また、ブログシステムには、WeblogAPI/AtomPP/XML-RPCといったシステム間の通信仕様が採用されており、専用のアプリケーションから記事を管理したり、別システムから自動で記事を投稿したりできる。

本来CMSには、こういった仕組みは導入されていなかったが、利用者・技術・ビジネスが三位一体となって発展していったブログブームの後押しもあって、自然発生的に生まれたこれらの標準仕様が採用されるようになったという背景がある。また、ブログシステム側が、企業サイトやコミュニティサイト更新運営用CMSに歩み寄り、ワークフローをカバーしたり、会社案内のような変化の少ないスタティックページ(時系列に並べる必要のない固定ページ)を管理できるように進化しているのが、ブログシステムの現状といえる。

ブログシステムを使う5つの理由

最後に、ブログシステムを使う理由を整理してみた。ブログシステムを使えば、コンテンツとデザインの分離を軸に、担当者は専門分野に集中できるようになり、利用者との関係強化や他システムとの連携を視野に、Webサイトをより有意義で活発なものへと進化できるようになるといえるだろう。

ブログシステムを使う5つの理由
  • コンテンツとデザインの分離
  • テンプレートによるデザイン変更
  • 頻繁なWebサイト更新を実現するCMS
  • RSS/Atomによるフィード情報提供
  • WeblogAPI/AtomPPによる記事投稿が可能

次回からは、ブログブームの火付け役である米SixApartが開発するブログシステム「Movable Type(オープンソース版)」を紹介し、SuitePRO V2で構築したバーチャルドメインのホスティング環境に導入していく。

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増田(maskin)真樹

IT/NETリサーチャーを経て、ライターとして独立。多数の媒体で執筆活動後、米国シリコンバレーでガレージ起業に参画。帰国後、関心空間、nileport、ソニーblog、@cosmeなど多数のサービスに関与。