このサイトは、2011年6月まで http://wiredvision.jp/ で公開されていたWIRED VISIONのコンテンツをアーカイブとして公開しているサイトです。

Web2.0時代の情報発信を考える

時代が要求する情報発信型Webサイト 仮想専用サーバ「SuitePRO V2」が情報発信を加速する

CMSを使った新しいWeb情報発信

2008年4月18日

  • 1/2
  • 次のページ

過去のWeb情報発信

5年ほど前は、企業におけるインターネットの情報発信といえば、“丸ごと外注” が常識だった。社内に「ホームページ更新担当」がいて、掲載する情報を各部署から収集し、制作会社に制作を依頼し、そのデータを持ってシステム会社にホスティングを依頼していた。もちろん、両方の機能を備えたWeb配信会社もあったが、以下のような長いプロセスが劇的に短縮されるわけではなかった。

  • 担当者 [情報収集]→[編集]→[制作依頼]
  • 制作会社 [デザイン]→[ページ生成]→[アップロード]→[確認・校正]
  • システム会社 [サーバー準備]→[配信開始]→[修正・入れ替え・取り下げの対応]

さらに、これらのプロセスには、必ず各担当企業の承認などが必要であり、かなりの時間が必要になっていた。配信開始などの作業も基本は手作業で、労力が掛かるとともにミスも発生しがちだった。また、たった1ページを追加するのにも、多くの関係者を巻き込まなければならず、コストもそれに比例してかさむ傾向にあった。

ブログシステムを使った情報発信

ところが、ブログシステムを使うと、Web情報発信のフローは以下のように改善される。

  • 担当者 [情報収集]→[編集]→[確認・校正]→[配信開始]→[修正・入れ替え・取り下げ]

ごらんの通り、情報の発信者本人である企業の担当者が、記事の制作から発信・修正・管理まで行えるようになる。企業によっては、記事内容のチェックや承認を行う必要があるかもしれないが、発信する情報のコントロールは原則一人で行えるようになる。中にはシステムの機能を容易に拡張できるブログシステムもあり、運営担当者の権限が大幅に広がる。

では、「デザインやアップロード、サーバー側の設定はいつ行うのか?」と疑問に思う人がいるだろう。まず、デザインについてはテンプレート(ひな形)として、基本フォーマットを事前に用意しておくことで、ブログシステムに入力した記事にテンプレートデザインを適用した形に自動で成形される仕組みになっている。

これにより、記事を作成した後、それをデザイナーがページデザインに流し込むような作業をしないで済むようになる。デザイナーの仕事は、サイト全体のデザインを、テンプレートとして作成するということになる。一度作ってしまえば、記事の制作ごとに、ページをコーディングする手間が無くなる。

また、バックエンド側のシステム管理者は、いったんブログシステムをサーバーにインストールすれば、日頃の運用に関しては手間がかからなくなるのだ。

ただ、注意してもらいたいのは、ブログシステムにより運営サイクルが半自動化されるとはいえ、デザイナーやシステム管理者の仕事が全く無くなるというわけではないということだ。ページ内部の図版やイラストは自動で作成されるわけではないので、デザイナーはその制作を受け持たなくてはならないし、システム面でも、大きなトラフィックへの対応や他システムへの対応、システムの機能拡張などの作業が発生する。つまり、ブログシステムを導入することで、Web情報発信のフローが効率よくなり、情報発信担当者はその内容にだけ集中しできるようになったと考えるのが適切だ。少なくとも、記事一つあたりにかかる時間やコストが大幅に減るため、頻繁にウェブサイトを更新できるようになるのである。

  • 1/2
  • 次のページ
フィードを登録する

前の記事

次の記事

Web2.0時代の情報発信を考える

増田(maskin)真樹

IT/NETリサーチャーを経て、ライターとして独立。多数の媒体で執筆活動後、米国シリコンバレーでガレージ起業に参画。帰国後、関心空間、nileport、ソニーblog、@cosmeなど多数のサービスに関与。