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木暮祐一の「ケータイ開国論II」

通信事業者のための情報サイト「WirelessWire News」から話題をピックアップし、モバイルサービス業界を展望する。

ケータイ・インターネットを安全に使うための企画展示開催

2011年3月30日

(これまでの 木暮祐一の「ケータイ開国論II」はこちら

 新入学シーズンのこの時期は、「はじめてケータイデビュー」する子どもたちも多いはず。そのため、例年各通信キャリアはこうしたタイミングで子ども向けの各種新製品を発表している。一時は、子ども向けケータイも多機能化の道を歩んでいたが、子どものケータイ利用の是非が問われることが多い昨今は、機能は最小限にとどめ、防犯機能を重視したモデルが多いようだ。同時に、初めてケータイを持つ保護者に向けた啓蒙活動も各所で展開されている。

 東京・四ツ谷駅前にある「主婦会館プラザエフ」1階ロビーでは、安心ネットづくり促進協議会および主婦連合会共催による『ケータイ・インターネットを安全に使うために』というパネル展示が開催されている。

 子どもを持つ親にとって、子どもにケータイを持たせることは一大事であろう。ボタン1個押すだけで簡単にネット接続でき、その先のインターネットの世界には便利で役立つコンテンツも多い一方で、危険なサイトやサービスも存在する。どのように利用させるのがよいのか、あるいは子どもたちのケータイ利用に関する実践的な取り組みなどを、パネルで紹介している。

 そしてこのパネル展示により関心を持っていただくために、私のケータイコレクションの一部も並べさせていただいた。

 じつは、現在のようなケータイ端末のルーツといえる、NTT(当時)のムーバが登場したのは1991年4月。ちょうど20年という節目にあたる。それ以前のケータイというのは、「自動車電話」「ショルダーホン」「携帯電話」の3種類しかなく、それらをレンタルして利用するというものだった。「携帯電話」といっても選択肢は1種類しかなく、またNTTが設計した同型のモデルを複数の端末メーカーが受託生産していた時代だった。いわば、携帯電話も「黒電話」のような時代と言えた。そこに、メーカーごとが創意工夫をして独自のデザインでケータイを製造するようになったのが1991年(ムーバシリーズの誕生)というわけだ。

 わずか20年でこれほどまで著しく進化を遂げた電子機器は他に類がないだろう。ショーケースの都合で主要な機種のみとなっているが、この20年ほどでケータイがどれほど劇的に進化を果たしてきたかを、ひと目で分かるようにした実機展示となっている。とくに、「電話」としてスタートしたケータイがメール機能やインターネット機能などを備え、さらにスマートフォンへと発展していく「メディア機能」の変遷を、実機を通じてご理解いただくための解説も加えている。

 この展示は、4月中旬まで実施される。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひご覧いただけたら幸いである。

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プロフィール

1967年東京都生まれ。携帯電話研究家、武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部准教授。多数の携帯電話情報メディアの立ち上げや執筆に関わってきた。ケータイコレクターとしても名高く保有台数は1000台以上。近著に『図解入門業界研究 最新携帯電話業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』(秀和システム)など。HPはこちら

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